本と旅とそれから 希望荘/宮部みゆき

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希望荘/宮部みゆき


「名もなき毒」シリーズの最新刊――ではありますが、本作からは主人公・杉村三郎の離婚後の話になるので、物語の舞台や雰囲気ががらっと変わります。
希望荘

希望荘/宮部みゆき(小学館)

冒頭から、三郎は「探偵」として登場。といっても、まだまだ駆け出しで、探偵料金として「近所のゴミ捨て場の掃除を半年代わってもらう」なんてことをしている始末。
本書は、この杉村三郎が探偵として関わっていくことになるひとつの事件を一章として、四つの章で構成されています。

大富豪のご令嬢だった元妻と離婚し、元妻の元にいる娘が何よりの宝物、という、ちょっと悲しいバックグラウンドを背負った三郎が、それでもいつの間にかしっかり生活していく様子が、読んでいて何だか癒される思いです。

この三郎って、適応能力が高いのですね。悲しいことがあっても、まともな(?)職につけなくても、こつこつと努力して、そして高望みをしない。
ふつう、大富豪の令嬢との鳴り物入りの結婚に敗れたら、故郷の町に帰れないでしょ。どの面提げてって感じで。三郎の場合、故郷の父親が病気ということがあったとはいえ、そして彼は彼なりに一大決心をしたとはいえ、結局、故郷に帰り、親兄弟に「それみたことか」という目で見られつつも、次第に地域に溶け込み、そしてやがてそこで次のステージにつながる人と出会う。

しかも、彼って人好きのする人物なんですね。目下の人からは、あまり尊敬されない代わりに怖がられたりすることもなく、目上の人からは、どういうわけか可愛がられる。そんなふうに「友人」が増えていくので、困ったときも、どこかかしら助けの手が差し伸べられて、何となく事態が解決してしまいます。
とにかく羨ましい人物。

そんな三郎と、元奥さんはどうして離婚しちゃったのでしょうか。前作にいろいろその心理は描かれていました(と、思います)けれど、どうもいまひとつわからない。

探偵が主役なので、どの物語もミステリといえばミステリなんですが、それ以上に、三郎のどこか醒めたような視点から描かれる人間模様が興味深い。
相変わらず、かなり分厚い本を、読み終えて「もうちょっと読みたかった」と思わせる一冊でした。

webcitron01.gif


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  1. 2017/03/24(金) 22:00:04|
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