本と旅とそれから 三題噺示現流幽霊、「茶の湯」の密室/愛川晶

本と旅とそれから

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tag: 
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

三題噺示現流幽霊、「茶の湯」の密室/愛川晶

をを、このシリーズ、やっぱり続編もすでに刊行されていました。というわけで早速図書館から借りて来ました。

まあ、シリーズのこれまでの3冊と、同じといえば同じです。謎解き話といえばいえるけれど、それより興味深くもあり面白いのは、落語関連の諸要素。
神田紅梅亭寄席物帳

三題噺示現流幽霊/愛川晶 神田紅梅亭寄席物帳(原書房)

今回は特に、主人公(というか、「主人公の夫」なのかも知れませんが)の二つ目・馬八/福の助と、その元師匠・山桜亭馬春との師弟愛にうならされます。
落語の世界の実情なんてまるっきりわからないけれど、それほどまでに師匠と弟子の間の絆は強いものなのでしょうか。そういえば、昨年末にTVで見た「赤めだか」(立川談志と立川談春の物語)なんかもちょっとそんな感じだったかな…。

それにしても!最後、福の助がついに真打昇進の運びとなりました。
次が楽しみです。



「茶の湯」の密室/愛川晶 神田紅梅亭寄席物帳(原書房)

シリーズ最新刊。
前作の最後で真打に昇進することが決まった福の助、おそらくそれについてのあれやこれやで物語が始まるのだろうと思っていたら。

物語の始まりは、それから4年も経った頃。
福の助は、山桜亭馬伝と名を変え、しかも息子まで生まれておりました。

そして、物語に東日本大震災が大きく関わってくるのは、著者・愛川晶さんが福島の方で、震災で大変苦労されたということがあるからでしょう。

元師匠・山桜亭馬春が現役復帰し、福の助改め馬伝も元の師匠の元に戻り、芸の道も順風満帆――ではありますが、まああれこれと、いつものように身の回りに小さなトラブル、というかおかしな事件が起きるのでした。

落語家たちの世界の興味深さが魅力のこのシリーズ。
不満と言えば、そう、狂言回しの役にある馬伝の妻、亮子の個性があまりはっきりしないことでしょうか。落語家の妻というのは一般的にそうなのかも知れませんが、彼女も夫のサポートに走り回ります。夫だけじゃなく、夫の師匠の世話までしなければならず、夫を取り巻く人々のすべてと非常にウェットな人間関係を結ぶことになります。

自己主張の強い女性では務まらないのかも。彼女はとにかく、芸に邁進する夫に惚れており、それだからこそ、見事なほど古典芸能の封建的ともいえる世界に溶け込むわけですが。
――作者の視点からの、理想の落語家の妻像なんでしょう。
ですが、物語が面白いなと思うと同時に、でも彼女の人物像はいまひとつ面白味に欠ける、とも思うのでした。

webcitron01.gif


My Favorite Books(お気に入りの本のブクログ)
BOOKS INDEX(作家別感想文一覧)

関連記事
tag: 愛川晶 
  1. 2017/05/24(水) 22:00:02|
  2. 2017
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

トラックバック

トラックバック URL
http://lazymiki.blog110.fc2.com/tb.php/1952-5e74d14b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。