本と旅とそれから コンタクト・ゾーン/篠田節子

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コンタクト・ゾーン/篠田節子

久しぶりの篠田作品。
上下巻の長編、ちょっと「弥勒」に似たスタイルです。といっても、「弥勒」については、読んだのがもうかなり前のこと、覚えているのは「ブータンのような国にポルポトの大虐殺のような事件が起きる中に日本人が迷い込む話」という程度のことですが…。ただ、物語のインパクトが強くて、読み終えた後にポルポトについてのノンフィクションの本を読み、これまた愕然としたのを覚えています。
コンタクト・ゾーン
コンタクト・ゾーン(上)(下)/篠田節子(文春文庫)

今回の物語の舞台は南の島。おそらくは、南シナ海の、マレーシアとインドネシアの間のどこかにあるらしき島です。そこに、リゾート目的でやって来た三人の日本人OLたちが、現地の動乱に巻き込まれるお話です。

主人公か、少なくとも重要登場人物のひとりになるだろうと思っていた日本人の現地ガイドの男性は早々に姿を消し、この男性がボロクソにけなしていたバブリーな30代女性の物語となります。最初はあまりにひどいけなしようなので、ちょっと読むのが嫌になるほどでしたが、物語が走り出してみれば、彼女たちにもサバイバル本能やその力は備わっていたことがわかってきます。

彼女たちが、現地の村にかくまわれ、村の一員として現地の動乱を経験していく部分が小説のメイン。現代の東京に暮らしていた女性たちが、いきなり、文明の利器のほとんどない、馴染みのない慣習のコミュニティで、戸惑いながらもやがてそれに馴染んでいく様子が描かれます。

途中、ちょっとスローになるところもありますが、全体的には、ノンフィクションめいた迫力の物語で、ぐいぐい読めました。
ただ、武器というと銃もあるけど主に刃物なので、それを使った人殺しの描写は非常に恐ろしく、気が滅入ります。

三人はそれぞれに地元のコミュニティに順応していくのですが、私には到底ありえないこと。三人が三人とも、健康そのものの30代だからこそ、あんな環境で生きていけるんですよ…。
医療も衛生用品もほとんどなく、シャワー代わりに洗濯を兼ねて服を着たまま用水路で水浴びとかって、もう論外。ひとたび何かの病気になったら、きっと彼女たちも日本に帰ろうと思うに違いない。

「弥勒」ほどの厳しさを感じなかったのは、南の島の村人たちが強く暖かいからでしょう。大したことはできないのだろうと軽く見ていた彼らが、実は彼ら也の確かな考えを持ち、懸命に村を守ろうとする。日本人のOLたちは、その知恵に守られていくのです。

読み応えのある1冊でした。

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  1. 2017/05/24(水) 22:00:03|
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