本と旅とそれから 花の鎖/湊かなえ

本と旅とそれから

花の鎖/湊かなえ

祝、湊かなえデビュー。今頃。今さら。

もしかしてどろどろとした人間模様を描いた作品が多いのじゃないか、などと思ってなかなか手が出なかった湊作品なのですが、今回は、たまたま手に取った文庫本の裏表紙に「感動の傑作ミステリ」とあったから。「人間模様」とか「苦悩」を描いたお話は苦手です。
花の鎖
花の鎖/湊かなえ(文春文庫)

結論から言うと、とても面白かった。
三人の女性の物語が何度も何度も順繰りに語られていくのですが、最初のうちはそれがどんな関係になっているのかよくわかりません。共通するのは、町の和菓子屋さん「梅香堂」と、そこの看板商品のきんつば。

それぞれの女性とその母や祖母のことが少しずつ描かれていき、また、三人のうちの一人については、正体のわからないKという人物のことが語られる。彼女の母に、毎年Kという人物から大きな花束が届くのだけれど、母はそれについて「くじに当たったから」もらえるだけなのだ、というようなことを言うだけで語らない。

確かに、そうした穏やかな謎の絡んだ展開は、ミステリです。でも、犯人探しが中心になった本格的なミステリではありません。むしろ、その三人の関係がどうなっているんだ、という全体的な構成がミステリと言えるのかしら。あえて、彼女たちの生きた時代について細かいことが描写されていないことがカギということかも知れません。

たぶん、ゆっくり読んでいくと、物語の構成も、彼女たち三人の関係も、Kが誰なのかについても、誰でも段々とわかってくるのでしょう。そういうふうに書かれているのだと思います。だから、結末は別に意外などんでん返しというわけではありません。
そんな穏やかな物語の展開が、読んでいて心地よく思えました。


webcitron01.gif


My Favorite Books(お気に入りの本のブクログ)
BOOKS INDEX(作家別感想文一覧)

関連記事
tag: 湊かなえ 
  1. 2017/09/03(日) 22:00:00|
  2. 2017
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

トラックバック

トラックバック URL
http://lazymiki.blog110.fc2.com/tb.php/1968-1668c9bf
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する