本と旅とそれから プラチナデータ/東野圭吾

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プラチナデータ/東野圭吾

盗まれるというので開架の棚から引き上げられていた東野さんの本が、しばらく前から棚に戻っています。それで本書が目にとまりました。
2013年に二宮和也さん主演で映画化されていて、私は観ていませんが「人気作家の小説をアイドル俳優主演で映画化か~」ということで、ちょっと記憶に残っていました。

文庫本1冊ですが、ちょっと分厚くて、長編好きには読む前から期待が高まりました。
プラチナデータ
プラチナデータ/東野圭吾(幻冬舎文庫)

結論からいうと、面白かった。まあ、東野さんの話題作で面白くないわけはありませんが。

ジャンルでいうとSF。ちょっと刑事ものでもあります。
国民のDNAデータを集めて管理して、犯罪の摘発や抑止に役立てようという構想のもとに、国が開発したシステム。ところが、まだ本格運用に至る前に、開発者の天才数学者が何者かに殺害されます。問題のシステムが「犯人」として提示したのは、システムの共同開発者である科学者・神楽でした。これが主人公。そして、彼を追う刑事・浅間が副主人公ぐらいの設定です。

でも、神楽を演じたのが二宮さんて、ちょっとイメージ違うなぁ、私には。映画を観ればまた違うのでしょうが、想像するだけだと、二宮さんでは線が細すぎるような。
映画と原作のストーリーが同じかどうかわかりませんが、登場人物の性別が替えられていたりするから、違うのかも。まあ、映画のことはおいておくとして。

主人公・神楽の複雑な人物像が物語のカギ。彼は優れた頭脳を持つ科学者であり、同時に「リュウ」という名を持つ別人格を身の内に抱える二重人格者でもあるのです。二つの人格は同時に現れることはなく、リュウが出現しているあいだ、神楽には何の記憶もありません。だから、殺人犯としてシステムが自分を指したとき、神楽には「自分はやっていない」という100%の自信が持てないのです。神楽自身はやっていないが、もしかしたらリュウがやったかも…というわけです。

最近、こうした「人の心」を重要要素とした物語をよく見かけます。すぐ浮かぶのが、京極さんの「姑獲鳥の夏」。常と異なる者の視点から物語が語られた場合、読み手に見える世界は事実とはかなり違うものになります。「姑獲鳥」は最後の謎解きまでそれがわかりませんが、本書では、二重人格については早い段階で語られます。その時点では、神楽は自分の別人格をほぼしっかりコントロールできているのだな、という感じなのですが、物語が進んでいくと、「いや、そうでもないのかな?」と思わせることがポロポロと見られるようになり、そこがちょっと怖いような。

人間の心って本当にはかり知れない。
「ひとは変わる」という人もいれば、「ひとはそうそう変われるものではない」という人もいる。通常は後者だと私は思うのですが、「何か」があれば変わるとも思えます。
本書の主人公は変わります。彼が変わるに至るプロセスを描いたのがこの物語、とも言えるでしょうか。


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