本と旅とそれから 不祥事/池井戸潤

本と旅とそれから

不祥事/池井戸潤

TVドラマ「花咲舞が黙ってない」の原作になった1冊。ドラマの方は、本書のほかにも同様に銀行を舞台にした池井戸さんの小説も原作としているそうですが。

TVドラマの方は、ちらっと気にはなっていたものの、半沢直樹の「二匹目のどじょう」を狙ったもののように思えて見なかったのですが、やっぱり見ればよかった~。
上川隆也さんも好きなんだし。

不祥事
不祥事/池井戸潤(講談社文庫)

事務臨店、なんて実際にもあるのかしら。
銀行の支店で、窓口業務などの事務にミスが多いと見とめられたとき、本店から指導のために行員が派遣されることなのだそうです。その事務臨店チームに選ばれたのが、かつてやり手の融資係だったものの上司の陰謀で左遷された経歴を持つ相馬健と、入行5年目の若手ながら、全行員の中からその腕前を買われて選ばれたエリート・テラー、花咲舞。

この二人が、あちこちの支店を回って様々な事件や不祥事を解決していくという、主人公が共通の短編集の形式になっています。

花咲舞は、テラーとしての腕前はピカイチ、加えて実は美形、そして正義感が強くてモノをはっきり言いまくり、少々手も早い、という人物。支店長以上の役職者を相手にするとすぐおどおどした態度になってしまう相馬調査役が止めるのも聞かず、相手が支店長だろうが取引先の社長だろうが、ケンカをふっかけるのも厭いません。

銀行事務か。大変そう。花咲舞の事務さばきの見事さは、見る者をうっとりさせ、機械のキーをたたく速さは、指がよく見えないほどだとか。そしてもちろん、正確無比。さらに窓口業務係となると、自分勝手な要求を言い立て、かなわないとなると大声で怒鳴るような客にも対応しないとなりません。うぅん、やっぱり大変そう。

銀行に限らず、不特定多数の人を相手にする接客業って大変でしょうねぇ。極端な話、暴力団関係者だって、犯罪者だって、麻薬中毒者だって来るかもしれないわけですから。さらに銀行ということになれば、強盗や泥棒や詐欺師も来るかも。

そして、銀行の外から来るトラブルに加え、主人公たちが所属する東京第一銀行内部にも、彼らを陥れようと考える敵がうじゃうじゃいるとくるのですから。

外のトラブル、内の敵を、舞と彼女に引きずられて嫌々相馬が、次々と対処・解決していく物語は、予想通りとても痛快。スカッとすること間違いなし。それに、日々激務に取り組む銀行員たちの姿を見て(というか読んで)いると、私も頑張ろうという気持ちになれます。本書だけでなくて、池井戸さんの小説にはそういうのが多いと思いますけど。

ちなみに、先日始まったTVドラマ版「陸王」、まだ初回を見ただけですが――まだ、面白いともつまらないとも言えないかな。私はあまり役所広司という俳優さんが好きとも言えないのですが、彼が、自分の会社の担当銀行員をかばって、そのいけすかない上司を「うちの同志を馬鹿にしないでもらいたい!」と怒鳴りつけるシーンは痛快でした。

いつものパターンで池井戸さんにやられたな、と思いつつ、楽しみました。


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  1. 2017/10/27(金) 09:14:34 |
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