本と旅とそれから 玉依姫/阿部智里

本と旅とそれから

玉依姫/阿部智里

最近ファンになった八咫烏シリーズ。
この巻からは、ちょっと待たないと図書館から本が回ってこなくてちょっと残念。

にしてもこの巻は…前巻との間に、ほかにもっと冊数あったのじゃないかと思ってしまうような、舞台設定のギャップ――とでもいいますか。
「玉依姫」

玉依姫/阿部智里(文藝春秋)

冒頭からの物語は、現代の日本を舞台としています。
シリーズの1冊と知っていなければ、別の話かと思ってしまいそう。このシリーズ、これまではまったくの別世界を舞台とするいわゆるハイ・ファンタジー(って、もうこの言い方しないのかしら…)だったのですが、本書はもう思いっきり、現実社会との行き来のある世界でのお話です。

時間も現代。これまでの物語世界は、雰囲気からいって平安時代みたいだったのに。

これまでのお馴染みのキャラたちのうち、今回も登場するのは奈月彦と大猿と、あとは「ますほの薄」がほんの少々。本書の主人公は、「山神」と呼ばれる少年と、現代日本に暮らす少女・志帆。この志帆が、突然現れた伯父なる人物に招かれて山奥の村を訪れ、そこで巻き込まれていく異世界とその神を巡る事件の顛末が今回のお話。

それにしても、どうしてここまで物語の設定が変わったのでしょう。まあ、これまでの巻に描かれていたあれこれが、本書にも続く伏線となっていたとは言えるのですが、それにしても。これまでお馴染みだった八咫烏の世界や、あの人この人らはどうなちゃったのだろう、と気になります。

物語の雰囲気もこれまでとは結構違っていて、ちょっと今回は、えっと、京極夏彦さんの本だとかに似た匂いがします。やれ、どこの神がどんな神話に語られていて、その跡がどこの神社に残されているだの何だの。

「その神話は上賀茂神社と下鴨神社のことでしょう!」と思ったら住吉大社のことだというし。住吉大社のことを何ひとつ知らないので、何だかよくわからない。というか、ファンタジー読んでて、現実の神社の成り立ちとか納得しなくてもいいでしょって感じなのですが。これまで夢の世界の出来事だった話が、急に、奇妙な感じがするほどに現実に近くなったようで――まあいいけど、でも、ちょっと不満をおぼえないでもないような。

小説としては相変わらず面白く、作者もずんずん書き進んでおられるようだと思えます。
そうだ、また次を予約しなくては。雪哉がどうなったか、気になるじゃありませんか。


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tag: 阿部智里 八咫烏シリーズ 
  1. 2018/03/06(火) 22:00:00|
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