本と旅とそれから 最終退行/池井戸潤

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最終退行/池井戸潤

今、綾野剛さん主演で「ハゲタカ」やってますね。すでにNHKで一度バッチリドラマ化されたものを再びとは、と思いましたが、見始めてみると面白い。これってやっぱり真山仁さんの原作の力もあるのだろうかと思います。現代版・勧善懲悪型の物語でもあり、胸のすく思いもできます。

それについては池井戸作品にも通じると思います。
それがあるからか、ここのところ、ちょっと池井戸作品が多くなっています。このペースで読んでいたら、遠からず全作品読んでしまいそうだー。

ドラマ化の方も、もうそろそろ半沢直樹の新作とか、出来ないのかなぁ…。
「最終退行」

最終退行/池井戸潤(小学館文庫)

本作も、比較的初期の作品と言えるでしょうか。初出は2002~2003年とのことで、主人公が手間暇かけてマイクロフィルムに収められた記録を探すくだりなどは、今だったらPCからずっと楽に探せるだろうに、でも今はセキュリティがもっと厳しくなっているから、そもそもデータにはアクセスできないのかな、などと思いました。

この物語の大きな要素のひとつとなっているのが、旧日本軍が東京湾のどこかに沈めたと噂される莫大な価値の金塊。今にいたるまで、そんなものがどこかに眠っているという噂はあって、それをネタにした詐欺事件が後を絶たないのだとか。
ウソみたいな本当の話なのか、本当のようなウソなのかわかりませんが、ちょうど本書を読み終えた頃、お隣の韓国でよく似た詐欺事件があったとニュースで見て、もしやこのテの話はあちこちの国であるものなのかしらと。

オレオレ詐欺などでも、多くの人間が関与して、手の込んだ芝居が展開されるように聞きます。それだけの労力をもっと他の方向に向ければよさそうなものをと思いますが、成功したときの儲けが大きいから、摘発してもしてもなくならないのでしょうね。

池井戸作品の多くでそうですが、本書でも、はっきりとした悪役の人物が何人か登場します。まずは、主人公・蓮沼の勤務する東京第一銀行の会長・久遠。大銀行の会長で、頭取を退いた後も院政を敷く人物とあって、その権力は絶大。そしてもうひとりは、蓮沼が副支店長を務める羽田支店の支店長・谷。銀行員としての力は大したことがないくせに、本店における立ち回りに長けているため、人を人とも思わぬ横暴な振る舞いを続け、その頭の中にあるのは保身と出世のことのみ。

久遠も悪人なんですが、大銀行の会長と、その大銀行の支店のひとつの支店長では、悪のスケールはかなり違います。で、主人公が個人的にねちねちといじめられる様子が細かく語られる分、読み手としては谷支店長の方がよほど憎たらしく思えるのでした。

嫉妬というとよく女性の特徴みたいに言われますが、実は男性の嫉妬の方がよほど根深く怖いものだと聞いたことがあります。政治家などはひどいものだとか。まあ、男性の方が権力を持っていることが多い分、嫉妬にかられた行動というのも激しいものになるのでしょうか。
この谷って支店長もねー。小説の登場人物とはいえ、いるのかしらー、ホントにこんなひどい支店長。

池井戸作品なので、もちろんコイツも、久遠会長も、最後に吠え面かかされますが(お下品な表現でごめんあさーせ)。

悪事を暴く。悪人に思い知らせる。という勧善懲悪の爽快さが、結局のところ、本書の一番の面白さでしょうか。そこに、銀行ならではの中小企業いじめの悪者や、海底に眠る金塊を探す一攫千金の山師などが登場して、わくわく感もある小説でした。


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  1. 2018/08/31(金) 22:00:00|
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