本と旅とそれから アキラとあきら/池井戸潤

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アキラとあきら/池井戸潤

池井戸作品はいつももれなく面白いのですが、本書は特に気に入りました!半沢直樹シリーズや下町ロケットシリーズのように、キャラクターたちに感情移入しやすいうえに、ドラマチックなストーリーになっていたせいでしょうか。
この作品が、雑誌連載された後、10年近く出版されずにいたとは驚きです。昨年のドラマ化をきっかけに加筆修正されて文庫出版されたとのことですが、すごい名作だと思うのです。
「アキラとあきら」

アキラとあきら/池井戸潤(徳間文庫)

WOWWOWでのドラマ化では、階堂彬が向井理さんで、山崎瑛(この字で「あきら」って読むんですねー)が斎藤工さんか――まあ、これが逆のキャスティングでも、あるいはこのくらいの年代の別の俳優さんでも、あまり変わらないかも。それほど強い個性を持つキャラというわけでもないように思います。

大方の池井戸作品と同様、本書も、物語のメインの舞台は銀行。といっても、主人公の二人のあきらたちの少年時代にもかなりのページ数が割かれていますし、同じ銀行に奉職した二人のうち一方が、状況的にほかに選択肢がなくなって職を辞し、同族会社の社長に就任してからは、銀行だけが舞台というわけでもなくなりますが。

それにしても、稟議書ひとつがこれだけドラマチックな物語になるとはびっくり。まあそれは、メガバンクともなれば、稟議一本通すにもいろいろ大変なのかも知れませんが、それにしても。

物語は、大企業の社長令息の彬と、零細企業の経営者の息子の瑛が、天と地ほども違う環境に育つところから始まります。やがて両方とも東大を出て同じメガバンクに就職し、どちらも敏腕バンカーとなるものの、彬の方は父が急逝し、弟や叔父たちが経営していた企業グループが傾いてしまい、周囲から請われてやむなくその社長に就任します。同族経営ならではの血族間の確執に根差した経営の不首尾のせいで膨れ上がった負債や企業の構造問題と格闘する彬を、メインバンクの担当者として懸命に支える瑛。しかし、事態はのっぴきならないところまで悪化し、あわや大型倒産か――。

一番のクライマックスはやはり最後の、この大企業グループの存亡をかけた若い社長の苦闘と、それを支えるためにメガバンクを動かすべく持てる才能を傾ける天才バンカーの大勝負の場面でしょう。で、ここで、瑛が渾身の稟議を書くわけですが。メガバンクの与信判断に関わる稟議ってそんなにすごいのかしら。見たことありませんけど。すごそうだ。

そのほかにも、例えば、銀行に入りたての二人のアキラが、新人研修で会社経営者と銀行の融資担当になって渡り合うシーンなども、ちょっと芝居がかりすぎている感じもあるけれど、でもワクワクします。

主人公が二人いて、それがどちらも魅力的なキャラだと、一人の時よりも面白くなるように思います。あさのあつこさんの弥勒シリーズなど、すぐに思い浮かびます。それにそう、銀英伝もそうだわねー。あれは絶対二人でなければ面白くない。本書の二人のアキラ、御曹司の彬はラインハルト、平民育ちの瑛はヤン・ウェンリーってところかしら。御曹司・彬はちょっと近寄りがたい凛とした貴公子、平民・瑛は敏腕だけれど温かい血の通った知者というタイプ。

それにしても、実際のところはどうなのでしょ。メガバンクともなると、日本でもホントにトップの人材が集まるものなのかしら。それとも、ホントのホントのトップは財務省あたりに行くのでしょうか。いやー、もしそうなら、その長である大臣があのくらいって納得できないかも…。

ともあれ、これまで読んだ池井戸作品の中でも、トップ5に入ると思える1冊でした。

webcitron01.gif


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  1. 2018/09/10(月) 22:00:00|
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