本と旅とそれから 夢幻花/東野圭吾

本と旅とそれから

夢幻花/東野圭吾

まあ何となく、で借りてきた東野さんの1冊。
とはいえ、常にハズレなく楽しませてくれるのはやっぱりお見事です。

江戸時代以降途絶えたと思われていた、幻の黄色いアサガオを巡る殺人事件を追いかける物語。
夢幻花

夢幻花/東野圭吾(PHP文芸文庫)

「なぜ、アサガオごときで人が殺されるのか?」という謎は冒頭からあるのですが、これについては私にも想像がつきました。アサガオというか、ヒルガオからの連想ですが。「華岡青洲の妻」でも確か、関連の話が触れられていたような記憶が。

主人公は二人いる、といってよいと思いますが、その片方の、もとオリンピック級スイマーの女性・梨乃は、池江璃花子さんを想起させます。
でも、彼女をはじめ、ほかにもちょこちょこと、人物設定がウソっぽいなと思える部分はあるような気がします。

たとえば、もうひとりの主人公・蒼太の家族。蒼太がまだ子供の頃から、両親と兄・要介の家族四人揃って毎夏、入谷の朝顔市に出かけるのが恒例だった、という話。これが最後のアサガオを巡る謎につながる伏線になっているわけですが、謎が明らかにされてみれば、「この謎を追うために毎年朝顔市に行くっていうのは…」と苦笑してしまいます。
そのほかにもちょっと、ひとつの事件に関わる人々があまりにもお手軽に登場しすぎるかなー、と、後から思いました。

蒼太を巡っては、子供ならともかく、成人した息子に「よかれと思って」隠し事をするっていうのは、親の人格設定が浅いと思うんですね。隠し事をされていると思えば、探し出したいと思うに決まっているのですから。そのせいで悲劇が起きる、という展開になる物語も多い。その度に、「だから何でちゃんと話しておかないの!」とイラっときますもん。

まあでも、あれこれとケチをつけたくなるのは、読み終えてしばらくしてからのこと。読んでいる最中は物語を楽しめます。東野作品らしい、ちょっと軽めの、ノリのよい娯楽作品といったところでしょうか。

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