本と旅とそれから 君は永遠にそいつらより若い/津村記久子

本と旅とそれから

君は永遠にそいつらより若い/津村記久子

津村さんのデビュー作だそうです。
太宰治賞受賞作で、当初のタイトルは「マンイーター」。
それって、「人を喰らう者」?すごいタイトルだ…。
君は永遠にそいつらより若い

君は永遠にそいつらより若い/津村記久子(ちくま文庫)

京都で日々を送る女子大生・ホリガイが主人公。
どこの大学かはわかりませんが、「すべりどめに受験する人も多い」レベルの学校だとあったように思います。
もう4年生で、地方公務員という就職先も決まっていて、単位も取れていて、あとはのんびりとバイトをこなし、ユルく友人関係を流していくだけ、みたいなお気楽な境遇にあるホリガイ。

いかにもワカモノらしいあれこれに関心を向けつつも、もうちょっと「年頃のお嬢さん」の香りみたいなものがあってもいいんぢゃありませんか、って感じに外にも語り、内にも思うホリガイさん。

ユルくてお気楽でざっくばらんすぎるようなホリガイの日々が描かれている前半は、「いったいこの物語はどこにいくのかな、『君は永遠にそいつらより若い』って何なのかな、『そいつら』って誰なんだろ」とか、なんかわけわからずに、こちらもユルい感じで読んでいくのですが、終盤にかけて、段々話が変わってきます。

物語の冒頭に状況不明の一場面が描写されていて、ホリガイの様子なのだけれど、あれもそういえば何だったのだろう、あの場面はどうハマってくるのだろう、何だか暗いようだったけど、という疑問も、読んでいる間、継続します。

巻末の解説は、失礼ながらあまりちゃんと読まなかったのですが、その著者が、この物語を、まず何よりも「孤独な魂の物語である」と言っておられるのですね。
「孤独な魂の物語」って、なんか、ロシアあたりの文豪の作品みたいな雰囲気ですが、考えてみれば、今どきの身の回りにも、「孤独な魂」はあちこちに存在するのかも。割とありふれたものなのかも知れません。

終盤は、ちょっと「いきなり」という感じで、人の命とか、運命とか、不条理とか哀しみとか、重いテーマが次々提示されてきます。お気楽女子大生のぐだぐだしい毎日の話だと思って読んでいると、「うぉっと、ちょっと待って!」って感じです。

これもまた津村作品の一面ということでしょうか。


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