こちらも久々の宮部みゆき作品。
雰囲気がよい~。安らぐ…なんとなく。
岡っ引き・回向院の茂七親分を主人公に、子分の下っ引きたちや、正体不明の屋台の親父などを共通キャラとした捕物短編集。それぞれの物語に、鰹や白魚や菜の花や柿など、季節の初ものがモチーフになっています。
初ものがたり/宮部みゆき(PHP文芸文庫)回向院の茂七親分というと、NHKの時代劇で以前見た高橋英樹さんを思い出すのですが、んー、今回の宮部版茂七だと、高橋英樹さんだとちょっと重々しすぎるかなー。というか、やっぱり高橋英樹さんは岡っ引きよりはもうちょっと身分の高いお武家のイメージかも。
正体不明の親父がやっている屋台が、これまたいい感じ。現代の刑事ドラマにしろ、時代劇にしろ、刑事や捕り方の面々が集ってくつろぐ飲食店のシーンがありますが、本書ではここがその役割。その都度供されるちょっとした料理が、これまた何だかとても美味しそうです。
でも、この親父は一体どんな素性の者なのか、ちょこちょこ登場する茂七の地元のヤクザの親玉とはどんなつながりがあるのか、明かされぬまま物語は終わってしまいます。
宮部さんもそれについて文庫版ではちょこっとあとがきを付けておられて、そのうちまた物語を続けるつもりです、とのこと。
楽しみです。
時代劇ののんびりしたリズムが心地よい1冊でした。

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宮部みゆき
- 2019/09/24(火) 22:00:00|
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