本と旅とそれから マイ・ベスト「宮部みゆき」

本と旅とそれから

マイ・ベスト「宮部みゆき」

相変わらず、読む場所やら本の形態やらで何冊か同時並行的に本を読んでます。
そういう読み方していると、読み終える時には一挙に何冊も読み終えるんですが、それまではどれも中途半端で、あまりブログのネタにもならないのですが・・・。

割と最近読んだもののひとつが、こちら。


ブレイブ・ストーリー(上)(下)
宮部 みゆき / 角川書店

私はてっきり、「これはどこぞのロール・プレイング・ゲームのノベライズものだ」と思ってました。まあ、ドラクエ1、2以外のRPGをやったことのない私ではありますが(やった時はハマりまくったものです)・・・。いや、しかし、まさにそういう世界でしたもの。
主人公ワタルは「戦士」になるけど、ライバルのミツルは「魔道士」。幻界(ヴィジョン)を旅し、手がかりを求め、「戦士の剣」や「魔道士の杖」に宝玉を集めて強くなっていく。
実際、小説に基づいたRPGが出来てるみたいですけど。

しかし・・・やっぱり宮部さんてすごいです。
こんな荒唐無稽な物語を、上下巻合わせて1000ページ以上、まるで飽きさせることなく最後まで読ませてしまうんですから。
「なによ、これってまるでゲームじゃない」などと思いつつ、気付けばハラハラどきどき、ラストの決戦に近づいてくる辺りからは登場人物の動向に一喜一憂、あまつさえ、○○が死んでしまう場面(ネタバレ回避)などでは、不覚にもまた弱い右目からボロッと・・・。

中でも私が大・大・大好きなキャラは、ファイアー・ドラゴンの子供、ジョゾだ!

ジョゾの両親は、悲しそうに目をしばたたかせている。ジョゾはそれを見て、みるみるつぶらな目を潤ませた。それでもしっぽを振って、頑なに言い張る。
「だけど行くよ。ワタルを乗せて行くよ。いいでしょ、お父さん、お母さん」


とにかく健気なんです。無邪気で、一生懸命。怖くて怖くて目に涙をためながらも、友だちワタルを助けるために、懸命に空を飛ぶんですね~・・・。ああ、私が運命の女神様だったら、助けてあげられるのにぃ。
・・・なんてことを考えているわけです。真夜中に。読みながら。

□      □      □

以前、大極宮掲載の「宮部みゆき著作リスト」を刷り出して、自分がどれだけ宮部さんの作品を読んでいるかチェックしてみたことがあるんですが(好きなんです、そういうこと)、最近の作品(2000年以降)は結構読んでいるんですが、やっぱり比較的古いものがかなり抜けてます。特に、短編集と時代モノ。
まあ、今後もぼちぼち読んでいくことにしますが、今の段階で私が特に好きな宮部作品は、



「ぼんくら」(講談社)
「日暮し」(講談社)
「摸倣犯」(新潮社)
やっぱりこの三作品かな。
「ぼんくら」と「日暮し」は続きモノです。今、さらに続編が連載中のようで、楽しみです。
時代モノミステリーなんですが、別にミステリーとして好きというのではなく、登場人物たちの描写がたまらなくいいんですね。
ラジオドラマでは、主人公の声を中村橋之介さんが演じていましたが、上手でよかったです。

一方の「摸倣犯」、これはストーリーで読ませる本だと思いました。
ああ、この人はどうなってしまうんだろう、誰がどうやってコイツ(犯人)に天罰を下してくれるのか・・・。先が読みたくてたまらない。まさに英語でいうところの"page-turner"、ページをめくるヒマさえもどかしいほど面白い本・・・でした、私には。人それぞれですけど、ね。
映画は・・・んー、映像はもちろん、雰囲気をちょっと暗く作りすぎていたような気がします。

ところで、私にとって最初の宮部作品は何だったかというと、「蒲生邸事件」。日本SF大賞を取っている、二・二・六事件をからめたタイムスリップものです。
実は私はこの作品がキライでした。主人公が嫌いなタイプだったんですね。
ストーリーは面白かったのですぐに読めてしまったのですが、全体の印象が良くなかったため、その後しばらく宮部作品からは遠ざかることになってしまいました。その後、多分、「パーフェクト・ブルー」あたりでまた復帰したんだと思いますが、第一印象があまりよくなかったもので、好きな作家だとも上手な作家だとも思わず、その割りに結構読んだ、という感じでした。直木受賞作「理由」ですら、「さほどな~・・・。」なんて思っていて。
それが一挙に「この人はスゴい」と思うようになったのが、「摸倣犯」だった、というわけです。

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  1. 2006/11/14(火) 19:38:00|
  2. 2006
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コメント

No title

こんばんは~!
ブレイブストーリー読まれたんですねv
真夜中はついついお話の世界に入り込んでしまいますよね。
私も涙腺も緩みっぱなしで泣けました~。
にしても長編をあきさせないのはさすがに宮部さんだと私も思います。
仲間をもてなかったミツルとワタルとの違い。
ありきたりな言葉で伝えてしまわないのにちゃんと伝わってきて
すごく好きでした。
「宮部みゆき著作リスト」でチェックですか!
面白そうですね、私もやってみようとvv
lazyMikiさんの宮部作品デビューは、「蒲生邸事件」ですか。
私も読みましたがどっかぴんとこなかったような。
模倣犯は映画を先にみちゃったのですが小説のほうが断然面白かったですね。
宮部さんの作品って映像化は難しいのかな~。

  1. 2006/11/14(火) 21:43:00 |
  2. URL |
  3. mattya-genmaitya #79D/WHSg
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No title

こんばんわー☆
私も同時進行で色々読んじゃいます(笑)
でも私の場合時間が空きすぎて、本当にどれも中途半端(^^;;;
なのでハリーポッターとか想像力豊かではないのもあるし、苦手でしたが(苦笑)そうそう!下のバームクーヘン!私も大好物なんですよぉ♪一緒だぁぁぁぁ!と感激しちゃいました(笑)横浜へ行ったら高島屋へ必ず買いに行きます!
  1. 2006/11/14(火) 23:05:00 |
  2. URL |
  3. junkss #79D/WHSg
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No title

◆mattyaさん、
読みました!
以前のmattyaさんのブレイブ・ストーリー感想文ももちろん読ませて頂いてますよー。
ラストの収め方が良い、と感想を書かれていたと思うけど、そうですよね。安易なハッピーエンドじゃ、いくらRPG風ファンタジーといっても説得力がありませんもんね。
本を読んでボロッときたのは、かなり久しぶりかな・・・?
もしかして、「マディソン群の橋」以来かも。
「蒲生邸事件」、あ、mattyaさんもそういう感じでした?ね~!!
「摸倣犯」は、おっしゃる通り、小説のが断然上ですよね!
でも、著作リストを見ると、宮部さんの作品、ドラマ化されているものがとっても多いみたい。でも、難しいですよね。
  1. 2006/11/14(火) 23:27:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◆junkssさん、
あ、こちらにも足を伸ばして下さってありがとうございます(^0^)/
こちらは本と食べ物とヒマネタ中心の・・・いや、基本的にはすべてがヒマネタと化している、「お気楽お喋り」を目指すブログでーす(エラそうに言うほどのことではない・・・)。

あ、横浜高島屋にも入っているんですか~!
最近、もうあちこちで評判を聞きますよね、このバームクーヘン。
コーヒー・紅茶のお供にバツグンですよね♪
また来て下さいねっ。
  1. 2006/11/14(火) 23:32:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

きましたねーーブレイブストーリー。
これは私の中で映画を観てしまうのが勿体無い作品です。
いや、観てみたいっていう気もあったのでかなり迷ったんですが、結局DVDを待つことにしました。
なんかね、ストーリー原作と違うみたいですし。
ジョゾなんて原作読んで想像していたのよりもずっと違うものでがっかりしてしまった・・・
まぁそれはそれでいいんでしょうけどねぇ~
私は蒲生邸は好き派でした。最後に再会できなかったのは残念でしたけどね。
  1. 2006/11/15(水) 14:31:00 |
  2. URL |
  3. lazybug #79D/WHSg
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No title

ブレイブストーリー、私も早く読みたいです!!
図書館で上巻だけ借りていっている人、はやく返しなさ~い。
(先日、書架にブレイブストーリー2冊見つけたので、「やった!」と
近づいてみたら、下巻だけが2冊…泣!)

わたしも「ぼんくら」「日暮し」大好きです。
マイベスト宮部みゆきを選んだら、私のリストは時代物ばかりが上位に来ます。きっと。
  1. 2006/11/15(水) 16:05:00 |
  2. URL |
  3. yurinippo #79D/WHSg
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◆ayakoさん、
私も、ウィキペディアかどこかで「原作と映画の違い」を読んで、ジョゾが人間キャラになっているらしいと知って、「なんじゃそりゃー」な思いでおります。ドラゴンがいいじゃないのよ。
まあ、あれだけの長編の原作を映画にするとなれば、どうやっても多少の不満は出てしまいそうな気がします。
機会があれば、見てみたいと思ってますが。
「蒲生邸」、大きな賞を取っているところからすると、人気は高い作品なんだと思います。多分、私は少数派だと思われまする。
  1. 2006/11/15(水) 22:31:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◆yurinippoさん、
読んで読んで♪
・・・っても、ありますね~、下巻ばっかりとか。
(確かmattyaさんも、「銀英伝」の1巻だけがない状況に泣かされたとおっしゃってましたよ。)
私の「F」もその状況ですもん。

私、宮部さんの時代モノって、他には「孤宿の人」ぐらいしか読んでないような・・・。今後はこの方面をつぶしていきたいと思ってます。
NHKの茂七(この字だったかな?)親分の捕物帳は見たんですが。
  1. 2006/11/15(水) 22:36:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

あ、映画公開辺りから気になっていた「ブレイブ・ストーリー」ですが、 lazyMikiさんのご紹介でますます読みたくなりました。自他共に認めるゲームフリークの宮部氏なので、ゲーム好きの僕としてはシンパシーを感じる所も多いです。ぜひ、12月には読んでみます。
ところで、「ツバメ号とアマゾン号」は知らなかったのですが、面白そうですね。いつか読みたいと思いました。
  1. 2006/11/15(水) 23:10:00 |
  2. URL |
  3. kyura130 #79D/WHSg
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No title

◆kyuraさん、
宮部さんのゲーム好きはスゴいですよねー。
毎週の「週刊大極宮」、宮部さんの「ゲーム女の生きる道」だけは、なかなかついて行き難いものがありますが、kyuraさんならばっちりでしょうねー。
「ブレイブ・ストーリー」、この本、ちょっと斜に構えて読み始めたと言えなくもない私でしたが、結局、宮部さんの筆に引きずり込まれました(^^)

「ツバメ号とアマゾン号」は、これは児童書なんですけどね。しかも全12巻のシリーズで。
ただ、ナルニアをFT系の最高峰とするなら、リアル系の最高峰はこのアーサー・ランサムのシリーズだと、私はかた~く信じております。
いかにも、かつての海洋帝国イギリスの子供ならでは、のお話で・・・どれほどの賛辞を呈しても「過ぎる」ってことないです。
  1. 2006/11/16(木) 00:17:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

ホント、宮部さんはすごいですよねー。
勢いがあるというか、迷わずいっきに
書きまくってるイメージがあります。
「ブレイブストーリー」私も読み終えたときは
爽やかな感動があって、本を閉じて拍手してしまいました。

「ぼんくら」はいつも借りようと思いつつ
まだ読んでいません。今度読んでみようと思います。
それにしても読書家のMikiさんは読むスピードが
メチャメチャ早いんでしょうねー。
  1. 2006/11/16(木) 22:36:00 |
  2. URL |
  3. c_hiyomi #79D/WHSg
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No title

◆hiyomiさん、
いや、それが。
自分も殊更遅いとは思わないんですが、いろいろな方のブログを拝見していると、皆さん読むの速い!
ので、相対的に言うと、私はもしかしてちょっと遅いぐらいかもしれません。でも、読み終えるまでの時間がどのくらいかかるか、に一番影響するのは、その本が文庫本であるか否か。文庫本は、私の「読書が一番はかどる場所」=電車の中に持ち込めるので、やっぱり早く読み終わります。

hiyomiさんの「ブレイブ・ストーリー」感想も読ませて頂きました!
思った通り、涙もろいhiyomiさんはラスト付近でかなり泣いてましたねっ(^^)まあ、私でさえほろっとなりましたもの。
  1. 2006/11/16(木) 23:30:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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