本と旅とそれから 近頃こんな本を

本と旅とそれから

近頃こんな本を


旅の記憶も本の記憶も、時間が経てばそれだけ薄れていく・・・ので、本の感想文も早く書こうと思いつつ、ついずるずると遅くなってしまいました。
京都に行っていたりしたので、あまり読んでいないのですが。

まず。
まどろみ消去―MISSING UNDER THE MISTLETOE
森 博嗣 / 講談社

いつまでたっても「すべてがFになる」が借りられないので、森博嗣氏のメイン・シリーズに取りかかれず、周りをうろうろしております。
これは短編集。一部、S&Mシリーズのキャラたちも登場します。
短編集ってそういうものかもしれませんが、ここに収められた作品も、最後のオチがどうなるかが鍵。驚ろかされたり、不可解だったり、「どんなオチが待っているの?」とドキドキさせられたあげく、まったくオチなかったり。重さ軽さも様々です。
でも、多分私はやっぱり森作品と波長が合うんでしょうね。
読んでいて何となく心地いい・・・快適なんです。
ちょこっとだけ登場する犀川助教授、相変わらず最後の2、3ページで「ボクの頭の良さの前には君たちなどものの数ではない」と言わんばかりの思いっきりいけすかないヤツ振りですが、憎めないんです。
そして。
武装島田倉庫
銀天公社の偽月
どちらも 椎名 誠 / 新潮社

本を選ぶときの参考にさせて頂いているKyuraさんの Booksブログで絶賛されていたこの2冊。「日本人作家のSF」・・・実は数えるほどしか読んだことがないし、考えてみれば、ここのところSFというジャンルそのものから遠ざかっていました。一番最近で・・・マイケル・クライトンの「ジュラシック・パーク(名作!面白すぎて電車を乗過ごしました)」ですもんね。

でも、どうもうまく感想がまとめられなくて・・・。
「武装~」の最初の方で、「これはスルメだ・・・」と思い始め、それが途中で「というよりはむしろ昆布だ・・・」に変わったのですが、つまり、古典的な表現をすればこの作品は「かめばかむほど味が出る」だなと思ったんですね。と同時に決して甘くもなければオシャレな雰囲気を持っているものでもない、とも。スルメが昆布に変わったのは、単にちょっとぬめっとした感触があるような気がしたから。
人類が未来に大きな戦争を経験する、その後の世界を舞台にしたSFはかなり多いように思いますが、これもそのひとつ。でも、この作品の「後の世界」は、油にまみれ、人間は言うに及ばず、動物も植物もいつアナタを襲ってくるかわからない。あたり一面ノスフェラス状態です。「武装~」でざっと地図を広げられたこの世界が、「銀天~」ではさらに細部にフォーカスして語られていきます。(今、「アド・バード」を読み始めたのですが、これも基本的には同じ世界なんですね。年季が入っているんだ・・・。)

ハードでした・・・というか、タフ?油で覆われた海に、脂雨の降る世界・・・。これはまさに、タフでなければ生き延びてはいけないでしょうねえ。いや、この「後の世界」に至るまでの過程で、人間は多分軒並みタフになっているのでしょうか。
私が一番共感を覚えたのは、「銀天~」の「塔のある島」。脂の雨(サラダ油じゃありませんよ~、アラスカ辺りでタンカーから流出して海鳥を死なせるようなアレです)に打たれながら、どこか碧い海を懐かしむ・・・。ちょっと本道をはずれてますか。

想像力をフル回転させようとすればするほど、油がぬるぬるするし、不気味な虫や蔦やケルプがおっかないし、知り玉が憎たらしい。
・・・やっぱりまとまりません。
も少し浸ってみようかな、ということで椎名作品もう2冊借りて来たので、to be continued。

それから。
夜のピクニック
恩田 陸 / 新潮社

映画にもなった話題の作品。
mattyaさん、やっぱり次に読む恩田作品をハズさないためには、これだと思うなっ♪

それぞれの世代に、多分それぞれの「夜ピク」があり得るのでしょう。
もう高校時代を(はるかに)後にしてしまった私にとっては、これはまさにノスタルジーの香りたっぷりという小説。
でも・・・高校時代の自分は、決してこの作品に登場する高校生たちのようなしっかりした存在ではなかったと思います。彼らは悩み迷うけど、意識がとても明解なんですもの。私が一番共感するのは、もしかすると、自己中で同級生から「子供だ」と背を向けられてしまうあの女の子じゃないかしら。
高校時代(私の場合、他の時代もかなりそうですが)って、懐かしいと同時に、思い出したくないような青臭い時代でもあると思います。なので、「ちょっと美しすぎる」と思わないでもありませんが、でも、解説にある通り、多幸感に溢れた、愛すべき小説。

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  1. 2006/12/07(木) 23:48:00|
  2. 2006
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No title

こんばんは~!
lazyMikiさんのお勧めの「夜のピクニック」読んでみたいです~vv
映画にもなってるんですね。知りませんでした^^;
前回の恩田作品が少々不完全燃焼だったので
後何冊かじっくり読んでみたいと思ってたんですよ。
「歩行祭」というのが面白そうですね。
24時間なんてことはありませんでしたが高校時代には
5時間くらいかけて歩いて学校まで戻るという行事が年に一回あったなあと
懐かしく思い出しました。
その時は他愛もないおしゃべりをして進む訳ですが
途中民家でトイレを借りたり(今はもう無理だろうなあ~)
一応タイムレースだったので早く着きたいチームはさっさと戻ってましたがこちらはゆっくりペースで楽しんでました。
うーん懐かしい(笑)
恩田作品もですが森さんの作品ももういちどと思ってるんですが
なかなか借りれないですね。
おすすめの本をリクしてもそういう本は当然ながら人気があるので
回ってくるのにも時間がかかってしまって。
でもでも私も少しだけ昔に立ちかえり本を手にとって見たいと思います。
  1. 2006/12/08(金) 22:16:00 |
  2. URL |
  3. mattya-genmaitya #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◆mattyaさん、
こんばんは(^^)
あの、mattyaさんは内田善美さんて少女漫画家をご存知でしょうか?
今でも描いておられるのかわからないんですが・・・。
というのも、その人の「空の色ににている」という少女漫画に、やっぱり歩行祭みたいな高校のイベントの話が出てくるんですよね。
24時間じゃなくて、mattyaさんが経験されたみたいな半日ぐらいのもの。
結構、こういう「歩く」イベントってあるものなのかな?
私は経験がないんだけど、確かに印象的な思い出になりそうですね。

森作品、もう「すべてがFになる」・・・うちの図書館、真面目に取り寄せようとしてくれているのかなぁ・・・てか、買ってくれたっていいじゃないですか・・・ぶーぶー。
もうリク入れてからずい分になるんですけどぉ~・・・。
またmattyaさんと同じ本読んで、あーだこーだお喋りしたいですよっ。
んじゃ、デルフィニアの予約でも入れよっかな~♪
  1. 2006/12/08(金) 23:30:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

えっと、何からコメントしよう…。
森氏のこれは短編集なのですね。短編集って好きなので、じゃあ次はこれを読もうかしら。

「武装島田倉庫」もお読みになりましたか!読み終わったあとなぜかお風呂に入りたくなりました。現実にはない世界をここまでリアルに書ききるのはすごいし面白いと思いましたが、やっぱり臭そう。(笑)

「夜のピクニック」はもうホント大好きな本です。これを読んで、まるで自分がこんな高校生活を送ったかのように、都合よく記憶を改ざんする、と。
なんかめちゃくちゃなコメントでごめんなさいっ。
  1. 2006/12/09(土) 07:48:00 |
  2. URL |
  3. yurinippo #79D/WHSg
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No title

◆yurinippoさん、
椎名さんの本、空想世界を作り上げるという点では、ものすごくファンタジー的なんですよね。道具立てがゴツいですけど。
「油or脂」が、とても重要な構成要素だっていうのがユニーク。
車のセルフ給油でさえ「くっさー」と顔をしかめている私としては、キビシイ世界でございます。

「夜ピク」、本当に「誰にでも好かれる、素直で明るい子」って感じですね。
こんな高校時代をおくりたかった・・・、でしょうか。
実際はもっとはちゃめちゃでしたけど(^^;
  1. 2006/12/09(土) 16:27:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

どちらにコメントしていいものかわからずこちらに参りました^^;
こちらこそお声がけ本当にありがとうございます~vv
こういうのってちょっと勇気がいりますよね?
チャレンジしてくださったlazyMikiさんに感謝ですvv
ではさっそく私のメルアドです。

izac@mub.biglobe.ne.jp

私はビッグローブさんなのです。
パソコンがNECだったからという簡単な理由ですが(苦笑)
ではではまた~!
  1. 2006/12/10(日) 00:27:00 |
  2. URL |
  3. mattya-genmaitya #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◆鍵コメさん(というか、mattyaさん)、
どうもありがとうございます!
嬉しいな~(^0^)/
後日メールさせて頂きますねっ♪
  1. 2006/12/11(月) 00:18:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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