本と旅とそれから 近頃こんな本を

本と旅とそれから

近頃こんな本を


押し詰まってくると、来年は「こんな本・作家さんを読みたい」とか、「こんな読書ライフをおくりたい」とか、ぼんやり考えます。特に今年は、ブログでいろいろな方の読書感想に触れる機会ができたので、なおさら。それについては明日か明後日のネタにとっておくとして、今夜は今年最後の「近頃こんな本を読みました」。
年末の雑事に追われて、今回もあまり読んでませんが(またまた言い訳)。

まず、
アド・バード
椎名 誠 / 集英社
水 域
椎名 誠 / 講談社
図書館で借りたのは、いずれも単行本ですが・・・、「水域」って、今は普通に売っていないんですか?あ、それでkyuraさんのお友達の間で現物のやりとりが行われていたわけかな(トロいな、ワタシ)?
前回の「武装島田倉庫」、「銀天公社の偽月」と合わせて、椎名誠さんのSFを4冊読んだわけですが、おかげですっかり「SFが読みたい!」ゴコロを刺激されました。というのも、「銀天・・・」に入るころからしきりと脳裏にチラつくようになったのが、映画「ブレードランナー」の映像。混沌とした未来都市の上空を飛ぶ、巨大なゲイシャの顔を映す宣伝スクリーン・・・。それが、さらに「アド・バード」に進んで、「あ、やっぱ」と。

「・・・アンドロイドも夢を見るのだろうかって、ふいにそのことに気がついたんだ」
                                        (「アド・バード」)


この後に、電気ヒツジが云々という会話が続きます。うん。「ブレードランナー」の原作はフィリップ・K・ディックの 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」だから、やっぱりイメージ的には共通したものがあるとみてよいのかも。さらに、クリフォード・シマックの「都市」(これもAmazonで出ないのはなぜ?)のイメージも思い出されました。
ディックはちょい私にはハードSFに過ぎるんじゃないかと思って手を出していませんが、シマックは以前何冊かまとめ読みした(内容はほとんど忘れましたが)作家。
いずれも、私がこれまで一番SFを読んでいた(某大学の幻想文学会とかいうサークルに所属していた頃です・・・)時期に出会った作家・作品です。おかげで、当時盛んに読んだSF作品のことが次々と思い出されて・・・「う~、SF読みたーい!」となったんです。

・・・話がそれました。

4冊の中でどれが一番好き、という話になると、私は・・・「水域」かな?
(映画「ウォーターワールド」は、事前に否定的な映画評を耳にしてしまったので残念ながら見ていませんが・・・。)
SFであると同時に、かなりFT的要素も含んだ作品でした。「魔法」は出て来ませんけどね。
いずれの作品についても、椎名さん独特の世界を紡ぎ上げているところは本当にお見事。作者が愛着をもって、長い間心の中で暖め膨らませていった世界なんだな、と感じられました。
前回の2冊と今回の2冊の間で、私が一番違うなと感じたのは登場人物たちの可愛らしさ。可愛らしさ・・・というと当たっていないかも知れませんが、今回の2作の登場人物たちの方が、私には感情移入がずっと楽にできました。「武装・・・」と「銀天・・・」のキャラたちは私にはタフすぎて、取り付く島がないように思えたんですね・・・比較で言えば。
私は、もしかすると作品の「世界」よりも作中の「人物」にハマるタイプなのかな?

そして、
王妃の離婚
佐藤 賢一 / 集英社


第121回直木賞受賞作('99)。
天童荒太氏の「永遠の仔」をおさえての受賞でした。
(しかも集英社!先日tmk_hysさんのところでちょこっと「やっぱ文藝春秋じゃないとダメなんでしょうかね~」みたいな話をした後なので、一層光るゾ。)

結構私好みかも。ジャンルとしては時代モノ。舞台はフランス、ロワール河の畔アンボワーズでした。偶然にもこれがフランスにかぶれた1年の(ほぼ)最後に読んだ本となりました。
夫である国王から理不尽な離婚を申し立てられた王妃のために、鳴かず飛ばずの境遇にあった主人公・弁護士が立ち上がり、奮闘するお話。ちょっとハリウッドっぽいですね。
や~、歴史モノの作家さんっていつもよく勉強されてるなぁとほとほと感心させられるのですが、この人も例外ならず。しかも外国モノなので、ラテン語まで・・・。ご立派です。
ただ--私の読み方が悪いのかも知れませんが--、ところどころ文章がわかりにくいところがあったような・・・それも、個性ということなのかなぁ。
ジャンヌ・ダルクとかダルタニヤンなんかを題材にした作品もあるみたいなので、またしばらく続けて読むと思いまーす。                               (一部敬称略)

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  1. 2006/12/27(水) 21:05:00|
  2. 2006
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コメント

No title

わぉーーということで、取り残されましたねー私。
椎名氏のSF、先日も本屋に行きましたがありませんでした(泣)
まぁいつか何とかして読もうと思っておりますが、なかなかねぇ~
たどり着いた暁には私もお仲間に入れさせていただきます。

さてさて、風邪がちょっと良くなってきました。
咳はまだ出るけどだるさが取れて頭も少々しゃっきりしてきたよん。
でね、年賀状まだ書いてないのぉーーー
なので元旦に間に合わないかもしれない・・というか、たぶん間に合わないけど絶対送るから待っててくださいませね。ね。ね。

  1. 2006/12/28(木) 09:58:00 |
  2. URL |
  3. lazybug #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ね~、やっぱり「水域」が一番でしょ?
私の探し方が悪かったのか、本屋さんにも古本屋さんにもなくて、
自治体の図書館にも開架式にはなくて、「保存庫」にある、という代物でしたよ。
atomさんに回してもらわなかったらあきらめて読まなかったかも。(笑)

そしてまた面白そうな本が!歴史物、実はけっこう好きなのです。
「王妃の離婚」ね。あ~、またリストが長くなってしまう~。(涙)
  1. 2006/12/28(木) 15:29:00 |
  2. URL |
  3. yurinippo #79D/WHSg
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No title

◆ayakoさん、
「水域」、画像を探してネットをうろうろしてみて初めて、もう単行本は普通にはなくて、文庫も品切れが多いということを知りました。
でも、ネットで古本ではちらほら出ていましたけどね。

風邪、よくなってきてよかったですね。
うつした私としては(あのー、いくらワタシでも、オンラインで風邪がうつると本気で思っていたりはしませんので~)、嬉しいことでございます。
頭もしゃっきり、ですか。それはめでたいこと!
年賀状については、お気遣いなく。
私にしても、今年は超例外として、ふだんは三箇日が勝負で書いてる人間ですので。もちろん、お待ち致しますわ♪
  1. 2006/12/28(木) 22:25:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◆yurinippoさん、
うちの図書館は、書名で検索したら、普通に出て来て普通に借りられたので、そんなに入手困難な本とはつい昨日まで気付きませんでしたよ。
そうか、そうでなきゃ、わざわざ皆さんゆうパックやり取りするわけないですもんねぇ。

「ラグビー部の部室」、は笑いましたよん♪
でも私も、「ダンプの運ちゃんたちでいっぱいのラーメン屋」とか思っていたから、似たようなもの。ドアが開けられないんですよね。

佐藤賢一さん、もうちょっと読んでみるつもりです。
一冊だとわかったようなわからないような、ですので。
好きになれる作家さんだといいなと思ってます。
  1. 2006/12/28(木) 22:31:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

明けましておめでとうございます。
遅くなりましたが、椎名SF読まれていたのを拝見させていただきました。やはり、「水域」ですか。僕はどれも好きですが、世界に浸るという意味で「武装島田倉庫」を推してますが、読みやすさや結末の美しさでは断然「水域」ですね。また再読したくなりました。
2007年は、村上春樹氏の再読だそうで楽しみにしています。僕は「ねじまき鳥」と「ノルウェイの森」しか読んでますが、独特の吸引力がある世界です。けっこう痛い描写も多いですが。英語は弱いので、「英語の本」目標は凄いですね。
何はともあれ、今年もどうぞよろしくお願いします。
  1. 2007/01/06(土) 22:35:00 |
  2. URL |
  3. kyura130 #79D/WHSg
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No title

◆kyuraさん、
明けましておめでとうございます♪
kyuraさんが紹介されているのを読まなければ、もしかすると接点のないまま終わってしまったかも知れない椎名氏のSF作品、とても興味深い物語で、楽しめました。ありがとうございます。
私はyurinippoさんと近い感じの印象を持ったようです。
「水域」が一番親しみを感じたな、というあたりも含め。

村上春樹作品、もう一度じっくり読んでみたいと思っています。
私も今の段階では「羊」「ノルウェイ」「カフカ」ぐらいしか読んだことがないんですよ。トルコ人の友人に「『ノルウェイの森』はいいよねぇ~。」と言われて、日本人作家の本なのにあまりはっきりした感想を語れずに情けなかった経験があります。がんばろ。
英語は、これを職業にしている手前、読まないわけにはいかないというところです。こちらも、がんばろ。
こちらこそ、今年もよろしくお願い申し上げます(^^)
  1. 2007/01/07(日) 16:42:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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