本と旅とそれから Someone Like You(あなたに似た人)/          Roald Dahl

本と旅とそれから

Someone Like You(あなたに似た人)/          Roald Dahl


先月、WONKAチョコを頂いたという記事を書いた時、bulletさんから「凄腕の短編の名手」とコメント頂いたロアルド・ダール。
そういうことなら読みたいゾ!――と思ったら地元図書館に入っていたので借りてきました。

文中、カーソルonでネタバレです

Someone Like You/Roald Dahl(PENGUIN BOOKS)
邦題:あなたに似た人/ロアルド・ダール


1970年出版のこの図書館の本。もうこの表紙のは手に入らないでしょうねぇ。

「短編」というのも、単に長さが短いというだけのものもあるでしょうが、この本に収められた作品たちのような最後に必ず鋭いオチの付くという形を整えたものもあるわけです。
初版が1954年という短編集なので、いわば古典的なShort Storiesの形がこれなんでしょうか。別に、最後にオチが付くのがいい短編と言うつもりはありませんが、付くとわかっていれば、ちょっとドキドキして読みますよね♪
予想もしたりして――で、たまにはそれが当たったりもして。
かなり前に、星新一氏の短編集を何冊も何冊も読んだ一時期がありますが、星氏のショートショートと呼ばれた作品もこんな感じでした。でれっと読んでいると、最後にドキッ。

で、この「あなたに似た人」というタイトル、何とも皮肉。
多分誰もが心の片隅にこっそり抱いている愚にも付かない妄想や、ちょっとした虚栄心、浅はかな偽善などを、針の先でぴしっと捕らえて「ほら見てごらん!」とやられる感じ。
笑いたいけど、何だか素直に笑えない。

私が一番「やられた~」と思ったのが"Galloping Foxley"という一編。
電車にたまたま乗り合わせた男の顔に何となく見覚えがあるなと思いついた主人公。この男が、かつてパブリック・スクール時代に、自分のことをとことんいじめぬいた憎い上級生だったと思い出します。あんな風にいじめられた、こんなひどい目に遭わされた・・・長い回想の後、「今さら恨むわけじゃないが、ひとこと言ってちょっと気まずい思いでもさせてやろう」と話しかけたところが人違い、というお話。
このいじめを回想するシーンがすっごく見事に描写されていて、「なんちゅーひどいヤツ、私が代わりに一発殴ってやるっ!」と、怒りでパンパンに膨らませた風船が、最後の一行でぷしゅ~・・・。もー、なんなのっ(^^;

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tag: 洋書 
  1. 2007/03/31(土) 22:30:00|
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No title

短編小説、若い頃に一時期凝っていました。それも翻訳物。ジェフリー・アーチャーとか、ピート・ハミルとか、いろいろ読んだ記憶があります。
「あなたに似た人」というタイトルに見覚え(あるいは聞き覚え?)はあるものの、ロアルド・ダールは読んだことがあったかどうか?

星新一さんのショートショート、懐かしいですね。学生の頃に読んで、中身はほとんど覚えていませんが、おもしろかったという感想だけは記憶に残っています。
  1. 2007/04/01(日) 00:46:00 |
  2. URL |
  3. オルサ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ロアルド・ダールの作品はたぶん読んだことないです。
短編好きだから、読んでみようかな。
bulletの本棚をあされば、見つかると思いますが・・・。
私も星新一さんの作品、大好きでした。
何十年も前の作品でも、いつ読んでも新鮮なんですよねえ。
  1. 2007/04/01(日) 07:51:00 |
  2. URL |
  3. hleaves #79D/WHSg
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No title

読まれたのですね。私も自分の本棚を調べましたら、
古い文庫本(ページが黄色くって、字が小さい)
”あなたに似た人”と”飛行士たちの話”が見つかりました。
もう古典なんでしょうね。翻訳の題名は
”韋駄天のフォックスリイ”になってました。

阿刀田 高さんの”飛行士”のあとがきで、
ダールについて星新一さんとの会話が載っていて
面白さの打率はは、スレッサーのほうが上だか、つぼに入ったときは
すばらしいと書いてありました。
人間の想像力の恐ろしさ、賭けに打ち込む人間の恐ろしさ、
を主にテーマにしています。

訳したものが読みやすいので、原文も平易な文章でかかれているのでしょうね。
チャーリーとチョコレートも、もう一度ちょっと読んでみたくなりました
  1. 2007/04/01(日) 08:34:00 |
  2. URL |
  3. bullet4071 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

面白そうですね!歯ごたえのある長編も好きですが、
小気味いいピシッとまとまった短編は
振り返っても強烈な印象を残しています。^^
私も探してみようかしら。^^

ネタバレ、上手に使っていますねー!
なるほど、こんな使い方もいいですね。
勉強になりました!!^^
  1. 2007/04/01(日) 16:20:00 |
  2. URL |
  3. jeweldays #79D/WHSg
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No title

◆オルサさん、
星新一さんのショートショート、一世を風靡した感があった・・・と言ったら大げさでしょうか?
私も本当にずい分読みました。
ジェフリー・アーチャーにも短編集があるんですね。詳しくないのですが・・・。
実は、私はこれまであんまり短編集に興味を示してきていなかったんですよー。
つい、長編物語の方に傾倒してきていて。
またがらりと違った世界があるな、と思いました。
ロアルド・ダール、もう少し読んでみようかと思います(というような本がどんどん増えてきている昨今なのですが)。
  1. 2007/04/01(日) 20:52:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◆hleavesさん、
いいですねぇ、お互いの本棚を探すとまた自分の好みとはちょっと違った本が見つかって!
bulletさんはhleavesさんから村上春樹作品を借りておられるんでしょうね~。
星新一作品で、今一番に思い出すのは、
ベビー用品に音声で赤ちゃんをあやすものがあって、その同じ音声が何十年か後に他の商品のCMに使われた時、「昔の赤ちゃん→今の大人」がこぞってその商品を買いに走る――というもの。
それだけ書いちゃうと「なーんだ」てなモンですが、それを最後に「うわ~」と思わせる巧みな筆致が星作品の魅力でした。
何となく、頭の奥がヒヤリとするような作品、多かったですよね。
  1. 2007/04/01(日) 20:58:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◆bulletさん、
教えて頂いて、どうもありがとうございました!
短編集というものにちょっと新しい目が開けたか(大げさ?)、みたいな気がしています。
古い本はちょっと読みにくいですが、借りた本だと頑張って読むからその点よいかなぁ。

短編は、作家さんの名前もあまり知らないのですが・・・スレッサー、ですか。
有名な作家さんみたいですね?興味あります。
ダールも、もう少し読んでみようかな。図書館にもまだ別のもあるので。
本当に、「遊び半分みたいな賭けになぜそこまで本気になる?!」ていうの多いですね!
冒頭の作品しかり、指をかけちゃうのやら。そういう文化かしら・・・。

お察しの通り、この本は英語がとても平易です。
単語もそうですし、文そのものもとても読みやすいものです。
そのせいか、「これって高校の副読本か何かに出てなかったかな?」と思う作品がちらほらありました。多分思い違いなのでしょうが・・・。
  1. 2007/04/01(日) 21:04:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◆RIEさん、
鋭い短編って、ちょっと作家に挑まれているような気がします。
「うーん、まいった!」と思わせるようなラストであれば、作家の勝ち~。
上手くできたミステリもそういうところありますが・・・。
短編って、電車の中でもちょこちょこ読めて便利ですね。

教えて頂いたネタバレ防止タグ(勝手に命名)、楽しく使わせて頂いてます♪
もう、RIEさんたら謙虚な方っ。
私は相変わらず、 jeweldays!を拝見して、憧れいっぱいになってます。
今度ちょっと大きくスキンをイメチェンしてみようかと思っています(^^)
  1. 2007/04/01(日) 21:15:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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