本と旅とそれから 風の墓碑銘(エピタフ)/乃南アサ

本と旅とそれから

風の墓碑銘(エピタフ)/乃南アサ


女性刑事音道貴子を主人公とするこのシリーズ、これまでの数冊どれもハズレたことはなかったけれど、最新作コレはこれまでのシリーズ最高傑作、という気がします。
風の墓碑銘(エピタフ)/乃波アサ(新潮社)

シリーズ初作の「凍える牙」で初めてコンビを組んで、主人公を散々手こずらせたベテラン滝沢刑事との名・・・だか迷、だかコンビ復活。やっぱいいなぁ、この涼やかな女性刑事と脂ぎったオッサン刑事の組合せ。本人たちはとにかくやりにくいと思っているし、不満を募らせたり気をつかって疲れたりしてるんだけど、読者も含め傍から見れば、見事に呼吸が合っているというか。「相方だから仕方ない」とお定まりのように自分に言い訳しながら、結果的に相手を思いやる言動をとってるヘンな二人。

私はいわゆる警察小説というジャンルの作品は数えるほどしか読んだことがないのですが、思い返せばそのすべてが名作のような。
大沢在昌さんの「新宿鮫」シリーズ、高村薫さんの合田刑事のシリーズ、横山秀夫さんの「半落ち」、「ルパンの消息」、そしてこれ。「容疑者Xの献身」もこのジャンルかな(とも、あれはやっぱり普通のミステリ?)。警察内部のごたごたが描かれる部分も多いけど、ほんのわずかな手がかりをもとに、靴底減らして歩き回り、真相を追いかける刑事たちの姿って、何かのめり込んで読んでしまいます。

そして、これまで読んできたこうした作品、どれもラスト――つまり、犯人や犯行の動機、でなければ犯行の周囲の人々の姿――が印象に残ります。「なぁ~んだ」じゃ、ない。長編を読んできて、ちゃんと最後まで満足させてくれます。

ちゅても~、去年の11月に入れた予約の本なのでした。よく待ったゾ、私。

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  1. 2007/06/16(土) 17:40:00|
  2. 2007
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