本と旅とそれから A Game of Thrones(七王国の玉座)/          George R.R. Martin

本と旅とそれから

A Game of Thrones(七王国の玉座)/          George R.R. Martin


素晴らしい・・・!!
この壮大な物語。FTにもいくつかサブカテゴリーがあるかと思いますが、エピック(叙事詩)・ファンタジーという名称がここまでしっくりくる作品も、もう何十年ぶり。
マスマーケット版冒頭の賛辞のトップをきるのがアン・マキャフリイというのも頷けます。
パーン(SFかも知れませんが・・・)以来の感動。

これを紹介して下さったatomさん、本当にありがとうございました。
私のベッドの足が向いている方向にatomさんがお住まいでないことを、心から祈ります!
(ベッド動かせないから。ごめんよぅ。)
A Game of Thrones
(A Song of Ice and Fire, Book 1)/
George R.R. Martin (Bantam Dell)
邦題: 七王国の玉座―氷と炎の歌(1)/
ジョージ・R.R. マーティン


もう、何と書いてよいやら。すべてが見事。
FTの真髄ともいえる異世界(歴史・伝説を含め)の創生という大きなところから、登場する「家(House)」の紋章といった細部・小道具に至るまで、よくぞここまで。

物語を壮大にし得ている要素のひとつが、これがひとりの登場人物にスポットを当てるのではなく、群像を描いているということ。主要人物と呼んでいい人たちが片手じゃきかないくらい登場し、物語の各章(章立てはかなり細かい)は、すべてがその章で描かれる場面に登場する主要人物の名前をタイトルにしています。

かつて七王国が割拠し、現在はRobert Baratheonが唯一の王として君臨する世界。その下に、七つの有力な家(House)が忠誠を誓っています。
シリーズ第1巻の本書では、その中でも特に、王国の最北を所領とするStark家の視点から語られる割合が高くなっています。というのも、当主Lord Eddard Stark、その妻Catelyn(Lady Stark)、その5人の子供たちと1人の庶子が、王国の趨勢に大きく関わってくるから。
このスターク家はdirewolfという、今風に言えば絶滅危惧種の大型オオカミを家紋とする誇り高い名門なのですが、物語の冒頭、Eddardと息子たちは雪の中にこのオオカミの屍骸を見つけます。どうやら雄鹿の角にかけられたらしく、それを見た一同の頭に不吉な予感がよぎります――雄鹿は、国王のBaratheon家の紋章。
死んだオオカミの腹の中から6匹の仔オオカミが生まれます。スターク家の子供たちは、それぞれがオオカミに名を付け、これを育てることに。このオオカミたちは、以降人間の登場人物にも劣らぬ大きな、そしてドラマチックな役割を果たすことになります。

という調子で書いていった日には、明日まで書いても終りはしないのでやめますが、Kingや
LordやLadyが山ほど出てくるという点では、舞台はイギリス騎士道物語風な世界。が、FTにはつき物の「魔法」は少なくともこの巻には登場しません。
もうひとつのFTの定番「ドラゴン」は、これはちょっとだけ登場。「ドラゴンの血筋」と言われる
Targaryen家は、Robert Baratheonが王位を奪うまでは王国に君臨していたのですが、現在では、とある島に王家の兄妹が残されるのみ。この妹姫Daenerysが、どのようにしてひ弱で泣き虫な少女からドラゴンの末裔として誇り高いQueenへと変貌していくかも物語の重要な筋立てのひとつ。第1巻の最終章は”Daenerys”のタイトルなのですが、ここはもう、泣きました。若干14歳にして、兄も、愛する夫も、生まれるはずだった息子も失ったDaenerysが、炎の中で3頭の竜と共に奇跡の復活をするシーン・・・(T_T)

もうひとり、私がこぶしを握って応援しているのが、スターク家の庶子Jon Snow。
スターク家なのに、スノウという名前。王国では、それぞれの地方で庶子が名乗る姓というのが決まっているのです。北方ではスノウ(南方ではフラワーズ、とかね)。ですから、もう名乗った時点で誰にでもその人が庶子だとわかるという・・・残酷な風習ですよね。
しかも、他のすべての点では聡明で愛情深い人物のレディ・スタークが、ジョンにはものすごくつらく当たるんですよー・・・。

でも、ジョンの物語が印象深いし、今後の物語の展開を大きく左右するだろうと思われるのは、彼がNight's Watchの一員となるからなのです。一方で騎士道物語風なこの作品がそれだけにとどまらないのは、このNight's Watchと彼らの敵「冬」の存在があるから。
この世界は季節の巡りが一定しておらず、ここ十年以上、ずっと比較的暖かい気候、すなわち「夏」が続いています。しかし、最北方を所領とするスターク家の家訓は"Winter is
Coming." すなわち、夏にあっても冬の到来に備えろ、ということなのですが、この「冬」というのは、単に気候の変化のみを意味するのでは・・・どうやら、ない。

北方の森にいるという"The Others"と呼ばれる得体の知れない死霊。スターク家の先祖が建てた森との境を守る巨大な壁。Night's Watchとは、俗世のすべてのしがらみを捨て、ここで「冬」とその怪異から王国を守ると誓いを立てた男たちのことなのです。
ジョンたちが、森で原因不明の死を遂げた仲間の死体を砦に持ち帰った夜、その死体が起き上がり、人間たちを襲う・・・。そのモンスターと戦うジョンと彼のオオカミGhost・・・カッコいいというより、もしこれが映像化されたら(ドラマ化されるらしいですが)どんなにおどろしい場面になることかと思うと、ぞぞ~。
そして、王国の覇権を巡る権謀術数をよそに、Night's Watchたちは「冬が来る」という恐るべき予感をつのらせるのでした・・・。

あ、それからもうひとり印象的なのが・・・って、やっぱり朝になる。やめなくちゃ。
FTの醍醐味満載の800ページ。2巻目以降は1,000ページ超らしい・・・。

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  1. 2007/06/26(火) 21:52:00|
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