本と旅とそれから 梟の城、風神の門(上)(下)/司馬遼太郎

本と旅とそれから

梟の城、風神の門(上)(下)/司馬遼太郎


?どんな顔だか知らないが
キラリと光る涼しい眼・・・?

(↑わかる人~?これは難易度高し!)

そう、私は大昔から忍者が大好きだったのです――固有名詞には疎いけど・・・。

梟の城、風神の門(上)(下)[再読]/司馬遼太郎(新潮文庫)

「風神の門」は再読です。
以前、chiyomiさんのブログでこの本の話が出た時には、読んだことをカンペキに忘れ去っていたのですが、ふと見れば、自分の本棚にしっかり並んでいるし、冒頭の八瀬のかま風呂の場面でもうすぐに「あ、これは読んでる」と思い出しました(マヌケ~)。

「梟の城」は、昭和34年、司馬遼(再度、敬意を込めてこの呼称をば)直木賞受賞作品。
伊賀忍者・葛籠重蔵を主人公に、彼を巡る同胞の伊賀忍者、敵方の甲賀忍者その他の人間の関わりを描きます。
一方の「風神の門」の主人公は、その固有名詞に疎い私ですら知っている忍者界のスーパースターのひとり、霧隠才蔵(伊賀忍者)。もひとり超有名な猿飛佐助(こちらは甲賀忍者)も出てくるし、才蔵と宮本武蔵の一騎打ちに真田幸村が割って入るといった、出血大サービスみたいな場面もあり。

作品としては、後者の方が数段面白いと私は思いますが、これはどうやら個人の好みの問題のようです――私がミーハーであるということとも関係あるような・・・。
それぞれの人間像の描写にも、もちろん魅力はあるのだと思います。でも、やはりこの二つの作品は、ストレートに戦国娯楽小説として楽しむのが一番ではないでしょうか。
大体、忍者なんて真面目にとらえようと思ったら眉つばすぎるでしょー。どんなに頑張ったとしても、人間が修練を積むことでスパイダーマンになるのは不可能ですもん。

「風神の門」で哀れ司馬遼から「歴史を動かしたオロカ者」がことき言われようをするのは、淀君と大野治長(修理亮)。この二人については作者はとことん嫌ってるらしくて、他の作品でもけちょんけちょん(もしかして、司馬遼でなくてもそうですか?)。

二作品の主人公の忍者二人に共通なのは、伊賀者であること、そして「涼しい眼」をした御仁であること。伊賀者であるというのはすなわち、個人主義者であることと、カネで動くということ。でも、間違えてはいけないのですが、カネで動くというのは拝金主義者だということではありません。彼らの信条は、ワザは売っても心は売らず。伊賀の忍者はあくまでも自由な個人主義者なのでした。

私は、司馬遼の作品のすべてが好きというわけでは別になくて、「功名が辻」は残念ながら苦手だし、代表作中の代表作と呼べるような「菜の花の沖」はずい分前に文庫版三巻目辺りで挫折してそれっきりになっているのですが、やっぱり司馬遼太郎、と聞けば、まずは「大好き」と答えます。
日本史には面白い話が多い。面白い人間も多い。それを描いてみせてくれるので。

関連記事
tag: 直木賞 
  1. 2007/07/02(月) 21:53:00|
  2. 2007
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8

トラックバック

トラックバック URL
http://lazymiki.blog110.fc2.com/tb.php/449-a14562a5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメント

No title

『空海の風景』の記事を拝見して、すごーい、と思っている間に、もう一つ記事が出てきました。なんでそんなことが可能なのでしょうか?すごーい。きっと何らかの秘薬を飲んでいらっしゃるんですよね。こっそり教えていただけませんか?
  1. 2007/07/02(月) 22:03:00 |
  2. URL |
  3. 都子 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈都子さん、
毎度、感心して頂いてどうも・・・(^^;
何とお返事してよいやら。
多分、都子さんが論文書いておられる間に、私は本読んでブログ書いてるんだと思いますけど・・・?
あと思いつくことといったら・・・あまりTVは見ない、見ても「ながら」だとか?
(友人しのちゃんのように家にTVがない、というところまではいきませんが。)
  1. 2007/07/02(月) 22:29:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

♪仮面の忍者だ~赤影だ~手裏剣シュシュシュッシュシュ 赤影は行く♪

私はなんでこの歌を知っているのでしょうか・・・・観た事ないのに・・・謎だ。

司馬遼太郎は祖父が生前よく読んでいたようで、本棚にずらーっと並んでたのを覚えていますが、私はまだ1作も読んだ事ないです。
でも忍者ってのが惹かれますね・・・・。

只今活字離れ漫画LOVEのシーズンですので、これが終わったら今度こそ図書館通いを始めたいと思います。
  1. 2007/07/02(月) 23:11:00 |
  2. URL |
  3. lazybug #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈ayakoさん、
う、おぬし、若いのにやるのぅ・・・。
いやしかし、見たことないのなら、ホントにどうしてご存知なのでしょうか?謎だ。
もうねー、この2作品読んでいる間じゅうずーっと(まだ今も)、この歌がエンドレスで頭の中で鳴ってましたよ。
ayakoさんの場合は生まれる前のTV放映だったと思いますが、私は・・・今の姪っ子MMよりもおチビだった頃になります(あるのよー、そういう時期が、私にも)。

司馬遼太郎作品というのは、ハマるとしばらくずーっと読んでしまうものじゃないかと思うのですね。私は大学時代に「竜馬がゆく」などの長編をかなり読みました。
今は時々、まだ読んでいないのをぽつぽつ読んでるぐらいなんですけど。
漫画かぁ~。最近は、「のだめ」18巻くらいかなー。
  1. 2007/07/02(月) 23:23:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

間違っているかもしれないんだけど
確か、「功名が辻」だったかで、一瞬、才蔵が
通行人のように出てくるシーンがあるんです。
 確か、敵に襲われて、馬がいなくなったか
何か困っていて、助けてくれって。声をかけるんです。
そしたら、才蔵が雨が降ってるときに傘を貸すアホはいない。
みたいなことを言って去って行くんですよー。確か。
 私はそれがすっごく面白くて、嬉しかったなぁ。
うすら覚えでごめんなさい・・・。
  1. 2007/07/03(火) 22:26:00 |
  2. URL |
  3. chiyomi #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

このアーティクルとは関係ないので、非公開で書きます。
hleavesはもうブログ飽きたそうで、更新をやめるそうです。
なにやら、誰にも知らせずに、非公開のブログを書くかもしれない
とのこと。(私にも秘密だそうです)
という事であまり、楽しくない私のブログだけになりましたが、
私はもう少し続けるつもりなので、今後ともよろしくお願いします。

さて変わりといっては何ですが、(ひょっとして気が付いてるかも知れませんが)
私の70に近い実母も同じエキサイトでブログを書いてます。
年寄りの冷や水のようなブログですが、面白い記事もたまにあります。
気に入ったらコメントでもひとつ・・・・w
親子であることは、しらないふりして下さいね。
息子の悪口もたまに書いてます・・・w

hつけてください。
ttp://toruneko65.exblog.jp/

ではでは
  1. 2007/07/03(火) 22:40:00 |
  2. URL |
  3. bullet4071 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈chiyomiさん、
ほぇぇ、そのようなシーン、ありましたっけ!
chiyomiさんの方が最近読まれてるから、少なくとも私よりは確かな記憶ですね。
私、どーも「功名が辻」と「菜の花の沖」は物語に入り込めなかったもので・・・といっても、こういうのって時間が経つと感覚変わったりして、今読めば違う、というのもあるかと思うんですけどね。

「梟の城」文庫版の解説に、忍者小説の話が少し説明されているんだけど、そこで触れられていた山田風太郎氏の忍者モノも、読んでみたいなーなんて思ってます。
  1. 2007/07/03(火) 22:43:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

?鍵コメさん、
まあ、そうでしたか。
「楽しくない」ことないです。鍵コメさんのブログ、私にはとっても楽しいです!

でもって、そっかー、そうだったのかー、気付いてませんでした。
ものすごく親しいお友達とかかな、なんて思ってましたよー。
仔細了解しましたっ?
これからも、是非是非よろしくお願いしますねっ(^^)
  1. 2007/07/03(火) 23:06:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する