本と旅とそれから 春になったら苺を摘みに/梨木香歩

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春になったら苺を摘みに/梨木香歩


いつぞや、何も読む本を持たずに出かけてしまった折、「夢の守り人」と共に「掟破り」で買ってしまった本です。
実は読んだのは少し前のこと――ここのところ、どういうわけかブログに書きたいような大小さまざまなことがたくさんあって、タイムラグがちょっと気になります。
春になったら苺を摘みに/梨木香歩(新潮文庫)

こちら、「おうちしごと日報」2007年下期ランキングで第4位に入った本です。それもなるほど!の、何ともいえず雰囲気の麗しい作品だと思いました。

梨木香歩さんが英国に長期滞在した際に知己を得た、ウエスト夫人という女性や彼女の暮らす世界を描写しつつ、そこに新しい発見や共感があることを綴ったエッセイ集です。

それにしても素敵なタイトル。
英国って苺な気がする・・・ことにここ数日、結局送って頂いてしまったフォートナム&メイソンのワイルドストロベリー・ティーなど飲みつつPCに向かうことが多いので、いっそうそんな気が(カップはウェッジウッドの「ワイルドストロベリー」・・・ではないけど~)。

日本で「苺を摘みに」っていうと、ビニールハウスに行くイメージしかないと思いますが、きっと彼の国では青空の下、春の花が咲き、春の鳥の鳴く中で、小さくてちょっと酸っぱいけれど、香り高い苺を摘むことができるのでしょうね・・・うっとり。

のっけから脱線してしまいました。
閑話休題。

いくつかのショート・エッセイから成る1冊なのですが、中でも私にとって印象に残ったのが、「王様になったアダ」と、「子ども部屋」の2編。

「王様になったアダ」は、アダという名のナイジェリア人一家の話。
ウエスト夫人という人は、梨木さんも暮らしていた下宿の大家さんなのですが、とにかく親切で懐深い人物で、他では敬遠されるような人でも、大抵受け入れて住まわせてくれます。
そういう敬遠される下宿人だったのが、アダと、後には彼の娘たち。
やることなすこと、エラそうではらの立つこと。

・・・って、何でそういう話が印象に残ったかといえば、私もナイジェリア人にはひっじょーに苦労した苦~~い思い出があるからなのです。

何年も前のことになるけれど、一緒に仕事をした数日間は、イヤで仕方ありませんでした。
「なんでこうも自己チューかなぁ?!」って、怒鳴ってやりたかった。
ところがあろうことか、そのナイジェリア人(おじさん。が、日本の名門私立大の、超有名教授のゼミで博士号を取ったエリートでもありました)と二人で、関西まで出張に行かされることになったのです。
一緒に新幹線に乗って?!何時間も?!隣同士の席で?!

あり得ん。ダメだ! 耐えられん!! 気が狂う!!!

その時私を救ってくれたのが、トルコ人の友人オヌールからもらったお守りでした。
それまでにも何度もオヌールにメールしては愚痴っていたのですが、いよいよもうダメとなったので、以前送ってもらっていた厄除けのお守りを出してきて、仕事カバンに入れたんです。

そしたら。
出張に、もうひとり日本人が一緒に来てくれることになりました。
新幹線では、その人がナイジェリア人と私の間に座ってくれて。
正直に言うと、その人が私の災難を全部代わりにかぶってしまったのが横でよくわかりましたが・・・すいません、その時は精神的な余裕ゼロだったもので・・・。

たったひとりの人の振る舞いでナイジェリア人すべてを決め付けてはいけない、と思うようにはしてきたつもりですが、やっぱりあまりのインパクトの強さに、つい、「あの国の人だけは苦手」という思いがぬぐえずにおりました(で、トルコ人は大好き、と)。

いや~、私だけじゃなかったんだ!
てか、あのおじさんだけじゃなかったんだ!!
みんな苦労してるんじゃないですか、ナイジェリア人には。
・・・なんか嬉しかったんですね。

「子ども部屋」には、英国児童文学の名作の名前がいろいろ出てきて楽しかった♪
梨木さんが、グリーン・ノウ・シリーズの作者ルーシー・M・ボストンのお茶会に招かれた話など出てきます。
ちょうど、ちょっと前にbarnesさんがこのシリーズを熱心に読んでおられたせいで、私もあの素敵な物語をまた読み返したいなぁ、なんて思っていたところだったので・・・。

梨木さんの作品、まだこれで3冊目にすぎませんが、何となく、普段着の着物(木綿とか)をさりげなく、でも決めるとこ決めて凛と着こなした女性の立ち姿、のイメージ。
ものすごく地味なジャパニーズ、でもインターナショナル。

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tag: 梨木香歩 
  1. 2008/01/25(金) 20:44:00|
  2. 2008
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コメント

No title

この本には見覚えがありますぞ。確か、読んでみて、一番ショックだったのは、「赤毛のアン」の作者、モンゴメリーがあんまり日本人を好きじゃないというような会話が出てくる件でした。私は「赤毛のアン」があんなに好きなのに~、あんまりだわ~、と思った記憶があります。・・・と、以前にも書いたようなきがして来ました(記憶力に全然自信がない私)。「子ども部屋」はもう一度読み返してみなければ。ボストン夫人のお茶会の件が記憶にないのです。グリーン・ノウを読み終えた今なら、しっかり私の脳細胞に焼き付くことでしょう。
  1. 2008/01/25(金) 21:40:00 |
  2. URL |
  3. barnes_and_noble #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

「ナイジェリア人には苦労する」というのは、かなり普遍性のある言説だと思います。なんかパワーのありすぎる人が多くて・・・。
  1. 2008/01/26(土) 02:05:00 |
  2. URL |
  3. 都子 #79D/WHSg
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No title

今日の「ここから」は、いつにもまして面白かったです。
私にはナイジェリア人の知り合いはいないので、(もちろんトルコ人の知り合いも)初めて聴くお話でした。
そんなに自己中なんですか。
日本人の自己中代表選手と闘わせてみたい気もします。
とにかくかなりウケました。

ウェッジウッドの「ワイルドストロベリー」シリーズ、私も好きです。
「春になったら苺を摘みに」
春になったら読んでみようかな。
  1. 2008/01/26(土) 11:38:00 |
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  3. よしりん #79D/WHSg
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No title

私も王様になったアダはけっこう印象に残った章です。
とはいえ「へえー、あんな自己中な人もいるのだねぇ」と思った程度だったのですが。
でね、トルコの御守の目玉模様のやつ、私も持っているのですが
ご利益ありますねー。私も助けてもらったことがあります。(笑)
「村田エフェンディ滞土録」はトルコのお話でございます。
  1. 2008/01/26(土) 15:13:00 |
  2. URL |
  3. yurinippo #79D/WHSg
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No title

あ、それから、
拙ブログの2007下期ランキングにリンクしていただいておりますが
あいだに/tb/がはさまっていて直接ジャンプしないようでした。
全くもって余計なお世話ですが、いちおうお知らせまで~。(^^)/
  1. 2008/01/26(土) 15:17:00 |
  2. URL |
  3. yurinippo #79D/WHSg
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No title

◈barnesさん、
ありますあります、ソレ。
「夜行列車」という一篇ですね♪
梨木さんが文中で触れられている、アンが日本の王子にカエルの置き物を送られるというエピソード、アンを読んだ時に私も「ヘンなの・・・」と思っていた部分でした。

赤毛のアンの物語って、今でこそカナダの地元でも大人気だけれど、最初にブレイクしたのは日本だったと聞いたように思うのですが・・・。
プリンスエドワード島・・・いつかアンの故郷を訪ねてみたいものですが・・・遠いですのぅ。
  1. 2008/01/26(土) 16:12:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈都子さん、
あ、やっぱりそうなんですか?
そっかー、そうなのかー、むふふっ。
「パワーのありすぎる」っていうのは、都子さんの配慮ある表現ですねぇ。
梨木さんは「尊大でブライドがありすぎる」と(ウエスト夫人の言葉として)書かれております。ワタシは「自己チュー」と言ってみたり。
  1. 2008/01/26(土) 16:15:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◈よしりんさん、
んまっ、嬉しゅうございます。
読み返してみて、読書感想文なのか、ただのダベリなのかわからん記事ですが・・・。

もー、大変でしたよ、そのおじさん。
でも、この本の中にも書かれているのですが、彼らが自己チューまたは尊大になるのも、まったく根拠レスというわけではなくて、私が会ったこのおじさんも、学歴はむちゃくちゃ高いし、日本語も日常会話には問題ないくらいできてしまい、一見しただけだとさほど困ったちゃんには見えなかったんですよね。

それにしても、あの頃は、目の前のこのおじさんをネタに、後にブログを書く日が来ようとは想像もしませんでした・・・。

この本、よしりんさんさえよろしければ(つまり私の古本で・・・)、「薬師寺展」の時にお持ち致しますけれど・・・?
  1. 2008/01/26(土) 16:21:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈yuriさん&鍵yuriさん、
あちゃっ!
失礼しました。ホントだ、リンクが飛べない。すぐ直しまする。
ったくー、実験してみないからこういうことに・・・<(_ _)>

そうそう、トルコの目玉のお守り!Nazar Beadていうんですよねー(^0^)。
効きますよね、アレ・・・って、新手の漢方薬か何かみたいですけどっ。
あれでダメなら諦めがつくっていうのもある・・・。

そうなんですよね。
「村田エフェンディ滞土録」、同じランキング4位だし、きっとyuriさんからおススメ頂くだろうな、なんて思っておりました。
今はランキング堂々首位の1冊を楽しませて頂いておりますので、その後にでも♪
どうもありがとうございます。
  1. 2008/01/26(土) 16:29:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

わあー、嬉しい!
「王様になったアダ」、恩をアダで返す達人だったりして。
楽しみにしています。
  1. 2008/01/27(日) 00:57:00 |
  2. URL |
  3. よしりん #79D/WHSg
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No title

梨木さんは、”村田エフェンディ”と”家守”と”沼地のある森を抜けて”を読んで
”からくりからくさ”も借りたのですが、間に合わなく返却しました。
これはエッセイですよね。エッセイのコーナーで探してないので図書館にあるか
見てみます。
  1. 2008/01/27(日) 14:54:00 |
  2. URL |
  3. bullet4071 #79D/WHSg
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No title

◈よしりんさん、
うまいっ、座布団一枚!
もちろん、アダなんぞじゃございませんので、喜んでお持ち致します
――座布団じゃなくて、本を、ですよ(念のため・・・)。
  1. 2008/01/27(日) 19:37:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◈bulletさん、
そうでしたよね~、bulletさんもすでに「村田エフェンディ」、お読みだったんですよねー。
私、あれ、借りたのに期限切れで読まずに返してしまったんです。
・・・やっぱ、ありますよね、そういうこと(結構ちょくちょくだったりしてー)。

海堂さんの「死因不明社会」が回ってきたので、それとー、読み始めた伊坂さんの「ゴールデンスランバー」とー・・・。
むむぅ、やっぱ、本読みライフ「だけ」は忙しいです。
  1. 2008/01/27(日) 19:41:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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