本と旅とそれから The Door Into Summer(夏への扉)/Robert A.Heinlein

本と旅とそれから

The Door Into Summer(夏への扉)/Robert A.Heinlein

再読ですが、えーっと・・・何十年ぶりかというと・・・たぶん、80年代前半に2回ぐらい読んでいると思うので――ををををっ!つまり四半世紀ぶりってこと?!
四半「世紀」!
当時は翻訳で。今は「新訳版」というのが出ているんですね。
今回は原書で――初出1957年。なお、ハインラインは1988年に亡くなっています。



The Door Into Summer[再読]/Robert A.Heinlein
(Del Rey)
邦題:夏への扉/ロバート・A.ハインライン


懐かしい・・・(T_T)。
最近めっきり読まなくなったSFというジャンルですが、当時は周囲の影響(大学の本読みサークルですね)もあって、そこそこ読んだんです。

自分がSF小説というものを好きなのか、と問われればいまだによくはわかりません。
が、この「夏への扉」は好きだった、という強い記憶がありました。といっても、何しろ「四半世紀」前に読んだ本なので、物語はほとんど忘れてて・・・。

でも、「四半世紀」前(しつこい)に読んだにしては、やっぱり覚えてた方だといえるんじゃないかしら?冷凍睡眠でいわば未来にタイムトリップする話よね・・・猫のピートっていうのが出てきて、最後は感動のハッピーエンド――そ、それだけですが^^;。

それでも、読んでいくうちにさらに思い出したところもありました。そうそう!行って帰ってまた行くんだった!そこがストーリー的に面白いのよね~・・・などと。

'57年に書かれた本で、始まりの舞台は'70年。そして冷凍睡眠から目覚めれば2001年。そして読んでいる私は2010年に生きているわけです。
近未来を描いた物語って、未来が現実と比較できちゃうから何だか不思議。
ハインラインの描いた2001年の世界では、家事はほとんどロボットがやってくれて、虫歯や風邪の心配はないし、目覚まし時計なんてものも不要になってるんですって。

ハインラインという作家は確か、どんなSF作品でも、未来を描いているという点で「風と共に去りぬ」に勝る、みたいなことを言っていたんだと思います(言葉はうろ覚えですが・・・)。
未来というものをものすごく肯定している。夢と希望を持って信じているんですね。
そんな姿勢が、この「夏への扉」にも溢れています。

でも、実は正直に言えば、この作品は私の思い出の中で美化、というかパワーアップされてしまっていたようで、読み終えて「あれ?こんなもんだったっけ?」感も、ちょっとあったんです。
英語で読んだから、とは思いたくありませんが・・・。

英語もこれまた実は、最初の4分の1ぐらいは苦労しました。苦労の最大の理由はもちろん、ワタクシの英語読解力不足のせいにほかなりませんが、そのうえでさらに、SFだからなのか、ハインラインだからなのか、'57年という少々古い作品だからなのか~。
後半は慣れてきて比較的早く読めたんですけどね。

それにしても、この"The door into summer(夏への扉)"というフレーズの、何と美しいことでしょうか。それはつまり、幸せへの扉ということ。主人公の相棒とも呼べる猫のピートは、家中にいくつもある(というところがアメリカの住宅事情とのギャップを感じないでもないのですが)扉をすべて試せば、そのうちのひとつは夏へと続いている、と固く信じているのです。

「真夏の夜の夢」なんかの「真夏」もそうなんですけど、一般的に欧米でいうところの「夏」とは、湿気が多くやたらと暑い日本の真夏とは別モノなんだそうですね。日本なら初夏ぐらいの気候なのかしら。一年で一番楽しく明るく美しい季節、ということだとか。

夏への扉を見つける――その扉は同時に未来へと続いている。
核戦争も温暖化も影を落とすことのない、明るい人類の未来。じゃあお休み、と目を閉じれば、そんな明るい世界に目覚めることができて・・・。
何となく切ないです。

webcitron01.gif


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tag: Heinlein 洋書 
  1. 2010/06/11(金) 21:55:00|
  2. 2010
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ハインラインといえば僕は宇宙の戦士なんです。でもこの夏への扉も確かさっぱりとした印象を持った記憶がありますね。そう、僕もストーリーはすっかち忘却の彼方へ逝ってしまっておりますね。。。もっかい読んでみるかな~(-_☆)キラーン
  1. 2010/06/12(土) 00:06:00 |
  2. URL |
  3. ぐん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

To ぐんさん、
「宇宙の戦士」!
ずっと読みたいと思っていたのに、まだ読んでません!
"Starship Troopers"という原題がカッコいいし、確かあれがガンダムにインスピレーションを与えた(逆?)とかいう話だったのでは・・・よね?
私がSFを比較的読んでいた頃は、ハインラインとかアシモフみたいな大御所全盛の時代だったんですが、今ってどんな作家が人気なんでしょうねー。
  1. 2010/06/12(土) 19:54:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

Starship TroopersっていうB級映画があったような...いや、私の脳は完全に不活状態だからアテにならんが。ガンダム絡みの事実関係は確認しなくては!
  1. 2010/06/15(火) 20:26:00 |
  2. URL |
  3. しの #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

To しのちゃん、
それは「宇宙の戦士」なのかなぁ?
当時の(今もか?)SF界における日本とアメリカの力関係を考えると、ガンダム→「宇宙の戦士」はありえないかなぁ。やっぱ、「宇宙の戦士」→ガンダムかな。
  1. 2010/06/15(火) 23:27:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

調べたところ、ハインライン原作を97年に映画化らしいんだけど、昆虫型生物って原作に出てくる?原作読んでないから、わからないのよね。一部マニアに大評判な映画です。
映画はともかく、「宇宙の戦士」にヒントを得たアニメ業界では有名なとある人が、 ガンダムの製作をやった会社に新企画を提案して、後にそれがガンダムにつながったらしい。
うーむ、全てつながっているのだねえ。
  1. 2010/06/17(木) 11:51:00 |
  2. URL |
  3. しの #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

To しのちゃん、
私も原作読んでないのよ~。読みたくなってきたけども。
「一部マニアに大評判」って、フクザツな状況・・・隠れた名作なのか、マニアックな迷作なのか・・・。
やっぱり「宇宙の戦士」→ガンダムだったかー。だよね~。

自分で調べない横着モノの私でありんす。
どもありがとー<(_ _)>。
  1. 2010/06/17(木) 21:40:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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