本と旅とそれから The Voyage of the Dawn Treader(朝びらき丸東の海へ)/C.S. Lewis

本と旅とそれから

The Voyage of the Dawn Treader(朝びらき丸東の海へ)/C.S. Lewis

先日、映画「カスピアン王子の角笛」を見たり、その原作を読んだりして久しぶりにナルニアの雰囲気に浸って楽しかったので、その次のこの本も読みました。

  映画「カスピアン王子の角笛」感想はコチラ
  原作"Prince Caspian"感想はコチラ

The Voyage of the Dawn Treader
(The Chronicles of Narnia)/
C.S. Lewis(HarperCollins)
邦題:朝びらき丸東の海へ(ナルニア国物語3)/
C.S. ルイス


この本も、ストーリーはほとんど忘れておりましたが、読むにつれて思い出した部分などもあり、ちょっとこう、子供の頃に住んでいた町を何十年かぶりに訪れるような懐かしい感覚がありました。

まず冒頭。そうそう!Eustace(ユースチス・・・でしたっけ?)という名前の、すっごくイヤな男の子が出て来るんだった!
「ライオンと魔女」のエドマンドもかなり困った子でしたが、ユースチスはそれに輪をかけて鼻もちならないヤツ。

が、エドマンド同様、彼もナルニアで「まっとう」になります。
エドマンドが、「キミはバカだっただけだけど、ボクは裏切り者だったんだからね」というくだりは、実感こもってる感じ。

正直な感想を言えば、記憶の中の「朝びらき丸東の海へ」は、もっと面白かったんですが。
今回読んで、割と淡白で落着いちゃった物語だなぁ、と思いました。

ナルニアがキリスト教カラーの強い物語だ、というのはよく言われることですが、この巻は前2冊にも増してそういう感じがしました。

東の海の果てにあるという「アスランの国」を目指し、朝びらき丸に乗ったカスピアン王(もう王子じゃないので)の一行と、エドマンド、ルーシー、ユースチスは航海を続け、いろいろな困難に遭いつつもそれを乗り越えて行きます。
その途中、「闇」に遭遇するところがあります。

それはただの「闇」の空間で、人々の様々な悪夢が現実のものとなる、という恐ろしい場所。
脱出しようとして仲間たちは焦りますが、かないません。
段々と皆が絶望を感じ始めたとき、ルーシーが「アスラン、私たちを愛しているなら、今こそ助けて下さい」と、祈るんですね。

すると、一羽のアホウドリ(これが日本語だと何ともマヌケ。アルバトロス、ですが)が飛んで来て、船を光へと導いてくれるのです。
そして、そのアルバトロスがルーシーの耳元で"Courage, dear heart"と囁くのですが、それがアスランの声なのです。

私はキリスト教についてはほとんど知りませんが、聖書か賛美歌に、「死の谷の暗闇を歩むときも、主が共にあれば恐ろしいことはない」というような一節があったかと。
遠くから飛んでくるアルバトロスの姿が、最初は十字架のように見えた、という一文もその感じを強くします。

そして、最後に、海の東の果てにたどりついた舟から、3人の子供たちとリーピチープ(やっぱり彼は黒いネズミだった・・・)だけが降り、小舟でさらに進んで行きます。
そしてリーピチープだけがアスランの国へと至り、子供たちはこちらの世界へ帰って来る。

そのシーンも、「あ、これはいかにも」って感じ。
もうナルニアへ帰って来ることは出来ないと聞かされたルーシーが、ではもうアスランには会えないのかと尋ねると、アスランが、自分はあなたたちの世界にもいる、だがアスランではなく、別の名前なのだ、と語ってきかせるのです。

そしてそこは、光の満ちる世界。
宗教的要素があろうとなかろうと、物語を楽しむうえでは別に関係ないとも思いますが、この透明感、清浄感の溢れる場景は、やはりキリスト教の「光」の感覚なくてはあり得ないかな、と感じました。

次はこの本が映画化されるんですよね。面白いものにするには脚本家にかなりの手腕が求められるのじゃないかと思ったり。
リーピチープ大活躍なので、CGも頑張んないとね。

関連記事
tag: 洋書 ナルニア C.S.Lewis 
  1. 2008/06/15(日) 22:26:00|
  2. 2008
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

トラックバック

トラックバック URL
http://lazymiki.blog110.fc2.com/tb.php/690-da158c52
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメント

No title

これも映画化されるんですか?ほんと、難しそう。そうそう、いとこのユースチス、嫌な子だった!なんだかまた「ナルニア国物語」読み直したくなったなあ。でも、6巻は読まないぞ。最後に「ウソでしょう~」という展開だったから・・・。
  1. 2008/06/16(月) 18:20:00 |
  2. URL |
  3. barnes_and_noble #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈barnesさん、
映画化の話を特にきいたわけではありませんが、1作、2作とくれば次はきっと3作目かと思うのでした。
あんまりのんびりしてると、ルーシーが大きくなりすぎちゃう気もしますが。

ナルニア最終巻、お嫌いでしたか。
確かに、ちょっと衝撃的な展開でしたが・・・。
でも、「それからの物語は、これまでよりももっともっと素晴らしいものになったのです」っていう終り方が、救われるというか、胸にずーんときました。
  1. 2008/06/16(月) 22:17:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する