本と旅とそれから 裏庭/梨木香歩

本と旅とそれから

裏庭/梨木香歩


残念・・・。

梨木さんの本というと私にとっては位置づけ的に微妙なものがあって、例えば「家守綺譚」などはしみじみ素敵だと思う一方で、熱烈な梨木ファンの皆さんの感想をうかがいながら、心のどこかでは「私はちょっと違うかなぁ・・・」と思う気持ちもあったのでした。

そしてこの本――「裏庭」。

裏庭/梨木香歩(新潮文庫)

これまで読んだ梨木作品は、エッセイは当然として、どれもさり気なくもしっかりと現実をベースにした物語だったのですが、この本に限っては、をを、「異世界」が。

で、この「異世界」がダメでした、私には。
かなりダメで。

やっぱり私には、作家とその創り出す異世界の間に、何か大きなつながりが感じられないと受け入れにくい・・・ようです。
想像力(と、創造力かな)ですべてを創り出してあるような異世界だと拒否反応が出てしまう感じ。

つながりっていうのは・・・作家の生まれ育った伝統とか文化を土台にしている、というような。

ナルニアも指輪もコロボックルもムーミンも、みんなそうした、作家個人のレベルで完結しない、もっと大きなものに根ざした世界観が感じられるのです。
それがその世界を深く大きく作り上げていく。それに感動する。

些細な点も・・・登場するキャラクターたちの名前のような。
スナッフとか、カラダ・メナーンダとかソレデ・モイーンダとか・・・うーん、何とも。

現実世界と異世界とで活字の種類を変えてあるところなどは、ちょっとエンデの「はてしない物語」を思わせるんですが、この作品に関しては、それすらもしっくりこなくて。

実はまだあるんですけど、それって要するに、この作品と私の性が合わなかった、ということで総括されてしまうのかな。
ブログで仲良くして下さっている方々にこの物語をとても愛しておられる人も多いとわかっておりますので――というか、これまで「裏庭」の賛辞を聞くばかりで、けなしたコメントを聞いたことないですよ――これ以上ぎゃいぎゃい言うのはやめまする。

たまにあるんですよねぇ、こういうことが。
上橋菜穂子さんの「守り人シリーズ」なども、絶賛の声が多い中で、私はハマりきれない感じでした。それでも「守り人シリーズ」は、それなりに楽しめたし、続きも読みたいと思えるのですが・・・。
「裏庭」は・・・(T_T)。

何だか申し訳ない(と、いう言い方もまた失礼かな・・・)。
でもって、とてつもなく損したような。
はぁぁぁあ~~タメイキ。



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tag: 梨木香歩 
  1. 2008/08/01(金) 22:46:00|
  2. 2008
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No title

面白い、と言われても肌に合わないことってありますよねー(・―・)
梨木香歩さんは「りかさん」を読み、その他はレビューを見て、今の所敬遠中です。
lazyMikiさんが挙げられてるのに好みが近いので、やっぱり合わないかもなあ。。
随分前のコメントへの今更レスですが、十二国記も好きですv

私は、吉本ばななさんの小説がナゼか合わない!と思ってます。
しかしどこが悪いということも、判らない…という。
それは高校生の頃だったので、そろそろリトライしようかと最近思ってますが。笑

長文失礼しました~☆
  1. 2008/08/01(金) 23:33:00 |
  2. URL |
  3. liquidfish #79D/WHSg
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No title

◈liquidfishさん、
長文、ありがとうございます^^

梨木さんは、これまで読んだほかの作品は、程度の差こそあれ、楽しんで読むことができたんですよね。
「家守綺譚」などは、大好きといえるほど。
この「裏庭」は、そうしたほかの作品とは、ちょっとカラーが違っていたと思います。
そこのところに違和感を感じずに入り込めてしまえた人には、きっと私の感じたものとはまったく違う「異世界」が広がったんだんだろうなぁ・・・と、羨ましく思ったり。

吉本ばななさんは、ずい分前に何冊かよみました。
「つぐみ」以前、の頃。
そうですねぇ・・・流行の作家さんだったけれど・・・私もあんまり、かなぁ。
私、ある種の「軽さ」が嫌いなんじゃないかと、自分では思ってるんですねー。
でも、時間を経て読むと全然感想が変わることってありますよね。
今読んだら、どんなでしょうか。
  1. 2008/08/01(金) 23:45:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ああーーいいんじゃないですかねぇ~
別に絶賛されてるから自分も褒めなきゃいけないってルールは無いわけですし、それはそれで個人の感想だから私は読んでて楽しいですよん♪
好きだ好きだ言ってる人の所に言って「私はダメ~、好きなあなたの気がしれない!」とか言いまくってるわけじゃないし(笑)、あくまでも本の感想だから好き嫌いが分かれて当然といっちゃあ当然ですよね。そこがまた面白いと思います。

私、ユリさんからモリミー本を1冊借りて返すのがものすごく遅くなってしまってるんですが、その理由が「入り込めない」・・・・なんですよ。
彼の本もけなしてるレビューは見たことないですが、私はもしかしたらダメかもです。
なので読み終わらないんですよ。
でもいい加減借りすぎてるのでもしかしたら読みきらないで返しちゃうかもです。

ちなみに私は梨木さん大好き人間ですし、「裏庭」ももちろん楽しく読みましたが、この本は私の中の梨木本ランキングではどちらかというと下の方ですね。
最後の方が結構「やっつけ仕事」で書いたのでは?って印象が残ったので(笑)。
最初は結構好きだったんですが。

TBもらってきまーす。
  1. 2008/08/02(土) 03:38:00 |
  2. URL |
  3. lazybug #79D/WHSg
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No title

◈Ayakoさん、
うん、そりゃそうなんだねー。
みんながみんな必ず同じこと言ったら、つまらんしね。
でもさ、なんか、A型としてはさ、だれかがすごく思い入れてるもの(とか人でも)についてネガティブなこと言う時って、せめて配慮っていうか、言葉を選ばなきゃな、って思うのね。
いや、それは別に誰でもやってることか。

せめてその配慮が感じられれば、否定的なことでもまあ受け入れられるっていうか。
いや、受け入れてもらえるんじゃないかな、っていうか。
自己満足的な面もあるし、やりすぎれば慇懃無礼になりかねないし、そもそも、そういうことをあまり気にしすぎると、何も書けなくなるっていうこともあるよね。

Ayakoさんなら、もう仲良くしてもらって長くなってきたし、「まぁ、大体このヒトはこんな口調で書くヒトだし、悪気はないんでしょ」って思ってもらえると思うけど、ネットって誰が読んでいるかわかんないし――とか、いろいろ思ったわけサ。(↓つづく)
  1. 2008/08/02(土) 19:29:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈(つづき)Ayakoさん、
森見さんは、つい最近、「太陽の塔」を読んで全然ダメだった、て人いたよ。
多分、やっぱり「入り込めない」現象だったんじゃないかと思うなぁ。
森見さんには森見さんのリズムとか雰囲気あるもんね。
そういえば、Ayakoさんって伊坂さんもいまひとつだったんだっけ(違ったかな)?
まあ、yuriさんならカラカラ笑って「え~、そーなんだ、残念だねー」て言いそう。

こんなネガティブな感想でよかったら、私もトラバさせてもらおかなぁ。
  1. 2008/08/02(土) 19:29:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

こんばんはー。
↑lazybugさんのコメント前半部分コピペしかけちゃいました(笑)
僕もそこがまた面白いと思います!!
いろんな感想があって楽しいですよ。

それにしても、Mikiさんの読書量ってすごいですねぇぇ。
しかも幅広く読んではるし。
感心してます!!



  1. 2008/08/02(土) 22:53:00 |
  2. URL |
  3. bananan_bou #79D/WHSg
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No title

◈ばななさん、
おはよーさん~(京都弁ふうに読んでね)。

そうなのよ。私もそう思うんですよね。
それでも、いざ自分が「いまいちでした」感想文を書く時って、なんか気になっちゃうの。
勧めてくれた人だって大人なんだから、わかってるにきまってるんだけど。
でもやっぱり、「面白かったよ~~!」って書けたらいいのになぁ、て思っちゃってー。
ああ、このぐだぐだしい自分がうっとうしい。

ブログやってると、特に読書専門ブログの人(たくさんおられるけど)のとこ行くと、私なんか足元にも及ばないですよー。
本読むスピードも量も感想文の深さも・・・。
まあ、田舎に住んでると、電車に乗る時間が長いしねぇ。
でも、結構かたよってるよ、ワタシ。
  1. 2008/08/03(日) 07:22:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

自分だけで感じる違和感って、あります。私の住む所は宮沢賢治の信奉者が多いのですが、実は私は宮沢賢治がよくわからない。作品に魅力を感じたのは1冊くらいで、有名なのは、ほぼダメです。ブログは個人の思いをかくところなので、代表作だろうが、みんながいい作品だと言っていようが、全然、気にすることはないと思いますよ。
  1. 2008/08/03(日) 13:55:00 |
  2. URL |
  3. barnes_and_noble #79D/WHSg
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No title

?ばななさん、
うん、ひとがいいと言っている作品がわからないと、「損したナ」ぐらいの感覚かなぁ。
それをブログに書く時点で、ちょっと慎重になるんだけどね。
やっぱり、自分なりの配慮はしていきたいと思っているのでした。
イエスマンは嫌だけど、配慮の足りない文も書きたくないな、と。

そもそも、「自分だけ」っていうのはまずないんだよね。
自分がたまたま知らないだけで、自分と同じように違和感をおぼえている人っていうのはたくさんいるはず。

宮沢賢治も、結構二極分化ってとこありませんか?
好きな人はすごく熱心だけど、いろいろな理由で「わからん」っていう人も多いんじゃない?
私は、ずい分若い(ちゅか、小さい)頃に読んだだけで、その時は「いまいち」と思ったけど、多分今読めば、また違う感じがするだろうと思ってます。
段々年とってくると、新しく読んでみたい本が多い一方で、昔読んだ本で読み返してみたいものっていうのもまた増えて・・・手におえませんなぁ。
  1. 2008/08/03(日) 21:05:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

いや、ダメなものは堂々と「ダメ!」とおっしゃってくださいまし!!
もしご自身のブログに書くのがおいやでしたら、私んとこのコメントに「これ、つまんなかったわよ!まったくもう!」と鍵コメででも…(笑)
なぜかというと、そうやって私の中の「Mikiさんにお勧め本」の傾向を修正していかないと
いつまでも見当違いな本をおススメしてしまいますからねぇ。(笑)

そして「私そんなに絶賛してたっけ?」と思いつつ過去ログみてみたら、
…結構ほめてましたねぇ。でも今ではずいぶん印象が薄くなってしまって…。。
梨木さんて児童文学たくさん出してる方ですが、恐らく「裏庭」は割と子供向けの部類に入るかもしれませんね。いや、子供向けは文学として低レベルだと言ってるわけでは無くて、やはり向き不向きがあるだろうということです。

私もTBいただいて行きますわ、敢えて。(笑)
  1. 2008/08/04(月) 18:23:00 |
  2. URL |
  3. yurinippo #79D/WHSg
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No title

◈yuriさん、
もしかすると、これはただ単に私が小心モノであることの表れなのかも・・・。
・・・なんか、つくづくそんな気もしてまいりました。

確かに、おススメ(してもらう)本の軌道修正というのは必要ですよねぇ。
他力本願を金科玉条として掲げている者としては特に。
ただ何というか、読み終えてすぐに「すっごく期待してたのに、がっかりさせられちゃったじゃないよぅ!」という感情バクハツの感想文書くと、翌日にはそれがひじょーに読んで恥ずかしいんですね。
だから、私のBOOKSネタは大抵2日以上放置・大幅修正の後UPされてるんですが・・・。
(あ、ネガティブじゃないものも含め。)

ちなみに、私の得意分野の筆頭は児童文学でございます。
あ、児童文学の中でも、やっぱりFT系かな。
それでもしかすると一層拒否反応が出た、とかかも(自分でもよくわかりまへんが)?

そいじゃ、ワタクシもTB・・・^^;
  1. 2008/08/04(月) 20:28:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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