本と旅とそれから 舟越桂 夏の邸宅 ~gvillaちゃんと東京観光・番外

本と旅とそれから

舟越桂 夏の邸宅 ~gvillaちゃんと東京観光・番外




現代作家の展覧会というと、なかなか出かけることはないのですが。
・・・今回は、ちょっと偶然というか例外というか。
いつも独特の透明感いっぱいのmatin_soireeさんのブログでこの舟越桂という作家さんの展覧会が紹介された頃(コチラ)、偶然私もそのチラシをもらっていました。

ふむふむ?展覧会のメインは木彫なんだなー?
で、それを庭園美術館のあのアール・デコの邸宅に配した、と。

  庭園美術館に前回行った時は・・・コチラ


それにしても、この木彫の雰囲気、何だか見覚えあるんだけど?
どっかで前に見ている。
どこだったっけ?
えーと、えーと・・・。

チラシをにらみ、考えること数日。
なんと、珍しくも思い出しました!



これ。この本の表紙です。
これが舟越桂さんの作品でした。

天童荒太さんの「永遠の仔」。
もうずい分前に読んだ本で、物語の詳細は忘れてしまいましたが、パラパラとした暗い断片と、「果てしない濃紺」みたいな重苦しい雰囲気などは記憶に残っていました。
読んでも心がずぅぅ~んと沈むだけな気もします・・・が、すごい名作だと思います(なんか矛盾かな・・・)。


で、思い出した途端に――この舟越桂さんの作品が、「永遠の仔」から流れてくるイメージに染まってしまったような気が・・・する。

それでなくても、作品の顔たちは大変個性的なのです。
モディリアーニばりに首が長かったり、日本人離れした頭の小ささ、すっと通った鼻筋。
どこを見てるの?と訊きたくなるような不自然なほど澄んだ眼。


そして、ほとんどの顔の額と頬の高くなった部分が、さっと茶がかった紅を刷いたようになっています。
それが・・・まるで、この人物たちが内に負った傷を表わしているような気がしてきちゃいました。

・・・たぶん、それって彫刻家の意図とは全然違うと思うのですが。

あと、この旧朝香宮邸という展示スペースがまた・・・。
なんだか、篠田真由美さんあたりが描きそうな、美しく現実離れしたお金持ちのファミリー、でもその影に他人にはうかがいしれない闇が・・・みたいな感じがしてきて。

やたらと勝手に自分でおハナシ作って暗々してしまいました。
本の表紙に使われた彫刻は出展されていなかったのに。やれやれ^^;


東京都庭園美術館HPはコチラ

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  1. 2008/09/02(火) 20:01:00|
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No title

こんばんは~。
全く別個の経験が、一気に繋がる瞬間って、あるある。
そんな時は急速に興味が湧いてきたりします。

それにしても、自分で作ったおハナシ世界で作品を見るっていうのはいいですね!!
素敵だなぁ。
すごく楽しめそう。
ほんとうの鑑賞ってそうなんかも知れませんね。
  1. 2008/09/02(火) 22:41:00 |
  2. URL |
  3. bananan_bou #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

天童荒太さんの「永遠の仔」の表紙は、インパクトありましたよね。
私も以前に読みましたが、かなり暗い小説でした。
ところどころ断片的に記憶に残っています。
父と娘、母と娘の関係。
傷つき過ぎた人の瞳って、舟越桂さんの彫像のように、透き通ってみえるのでしょうか?
酷い現実を直視できず、遠くを見つめる瞳になってしまうのでしょうか?

  1. 2008/09/02(火) 23:26:00 |
  2. URL |
  3. よしりん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

舟越桂さんの作品は、よく書籍の装丁に使われることがありますね。
この天童荒太さんの「永遠の仔」は知りませんでしたが、
Mikiさんの記事やよしりんさんのコメントを拝見して、
ぜひ、読んでみたいと思いました。
舟越さんの作品のあの瞳の透明感って、
なんか「傷つき過ぎた人」ということばとしっくりきます。
TBありがとうございました。
  1. 2008/09/02(火) 23:48:00 |
  2. URL |
  3. matin_soiree #79D/WHSg
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No title

”永遠の仔”わたしも持っています。
月日をおいて繰り返し読む本です。
つらい本ではありますが。

須賀敦子さんの著書にも船越さんの作品を見たように思うのですけど、間違いかしら。

船越さんって、女性なのですか?
作品を拝見すると(実際に拝見はしていません)、男性のように思えるのですけど。

つらいことは、忘れてしまいたいのだけど、それも義務感のようなものがそれを許してくれなくて。
  1. 2008/09/03(水) 04:00:00 |
  2. URL |
  3. ymomen #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈ばななさん、
何しろ、東京都の庭園美術館は、旧宮家の邸宅ですから、シック&ごぉぉ~じゃすです。
加えて、記事中にちょっと触れた篠田真由美さんという作家さんが、ご自身の作品(ビボーの探偵が登場するミステリーさ~)で、この邸宅をモデルに使われているということもあって、なんかちょっと芝居気分になっちゃいましたよぅ。
バスルームにまで作品が展示されていて、それが妙にしっくりきてました(^0^)

この美術館で、ちょっと前に開催されたオールド・ノリタケの展覧会に行きそびれたのが残念です。きっと思いっきりハイソな雰囲気を味わえたことでしょうに!
  1. 2008/09/03(水) 20:57:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◈よしりんさん、
ホントに、あの小説はね~・・・。
私は、毎年「四国の石鎚山の山開きが行われました」なんてニュースを見る度に、この本の(詳細は忘れているので、漠然としたイメージですが)ことを思い出します。
>酷い現実を直視できず、遠くを見つめる瞳
あー・・・なるほどぉ。そうかもー。
なんかすごく説得力ありますね。
舟越さんの彫刻は木彫なんですが、素材表示に「木、大理石」とあって、きっと目なんですよね、その、大理石。とっても際立つんですよ。目だけが。
本当に、目の前の現実を映すことを拒否しているみたいな目かも。
  1. 2008/09/03(水) 21:01:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈matin_soireeさん、
ご紹介下さってどうもありがとうございました。
こうして皆さんのお話をうかがう機会も持てて、とても良かった^^

そうでしたか、舟越作品って、他にもいろいろ本の装丁に使われていたんですね。
「永遠の仔」は、非常に重い作品です。
正直、読み終えてずぅぅーーんと沈み込むような感覚があるかも知れません。
「いやぁ~、これ感動するよー!是非是非♪」
って感じでオススメするわけにはいかない気もしますが、でも、すごいパワーのある作品であることは確かだと思います。
体調万全で、精神的に疲れておられない時がよいかしら?
  1. 2008/09/03(水) 21:08:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

◈もめんさん、
ああ、お持ちでしたか。
確かに「つらい」物語ですよね。
非常に怒りも感じますが・・・。
それにしても、ああした負のエネルギーに満ちた(というか、よく言えませんが)作品を書き上げる作家さんというのは、本当に大したものです。

須賀敦子さんの本は、残念ながら読んだことがないのです。
イタリア関係・・・ですか?

あ、舟越さんは男性です。写真が展示されていました。
そういえば、「桂」という名前では、男女どちらでもありえますね。
  1. 2008/09/03(水) 21:13:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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