本と旅とそれから 鹿男あをによし/万城目学

本と旅とそれから

鹿男あをによし/万城目学

・・・おかげで、奈良公園の鹿にポッキーをあげる人が増えたりしなかったかしら?

奈良というロケーション抜きにはあり得ない物語。
それにしても万城目さんというおヒト、ホルモーといいこれといい、面白い・・・というか、ミョーなことばっかり考え付く作家さんですねぇ。関西弁なら・・・「けったいな」こと?


鹿男あをによし/万城目学(幻冬舎)

図書館でほとんど半年待ってようやく回って来たこの本ですが、考えてみればスバラシきタイミング。出来うることなら、この本は神無き月たるこの十月に読みたいもの。
だって、物語は十月に展開するんですもん。

ホルモーと比べ、いかにも京都と奈良の雰囲気の違いが出ているように思いました。

奈良は京都よりさらに古い。すなわちさらに遠い。なんだかギリシャ神話の世界だ。
・・・って唐突ですけど、つまり、人と神とが交流していた時代の名残りをとどめた場所、という意味で。

私は京都大好き人間ですが、思うにそういう人間の多くが、「奈良も好き」なんじゃないかと。
京都と奈良はつながっている――近鉄とかJRでもつながってるけど、歴史的に・・・というと何かつまらないな、えーっと、に、匂いが(言葉マズシイ・・・^^;)。

奈良というと、青空のイメージ。
ひろ~い青空。いい薫りの風。のどか。ま、ちょっと田舎、とも。
(埼玉県の人間に言われたくないかもね。)

ストーリーの方は、ホルモーに劣らず荒唐無稽です。
ホルモーの時と同じく、さらりと読めてしまうから、それはそれでよくって。

「人間は文字に残しておかないと、どんなこともいつかは忘れてしまうんです」

これは藤原くんのセリフですが、最後の方で鹿も同じことを言うのですね。そして重ねて、

「本当に大事なことは、文字にしてはいけない。言葉とは魂だからだ」、と。

うーん。
私は・・・今のところは、人間は忘れてしまう生き物だからこそ、大事なことを伝えていくために長年かけて文字を生み出したんだゾ、と思うんだけども。
文字に表わすということは、別に言葉を貶めることじゃないと思うけどな・・・。
むしろ、言葉で表現する段階で、何がしかのものが失われるとは思うのです。
だから人はそれを、例えば、舞いとか歌とか、さまざまな別の方法で伝えようとするんじゃないでしょうか、鹿サマ。

それにしても、物語の舞台が、思いっきりばななさんのブログの世界とかぶるんで、羨ましくてしょうがないです。


webcitron01.gif


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tag: 万城目学 
  1. 2008/10/10(金) 21:30:00|
  2. 2008
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No title

こんにちは! 十月に予約が回ってくるなんて、きっと何かご縁があるのではないでしょうか!? 文字にすると失われてしまうもの、奈良にはそんなものの気配がありますね。
先日の「華麗なる一族」のレビューを拝見して、前から気になっていた「沈まぬ太陽」を読み始めました。ついに… 読まずにはいられなくなり…。
鹿男、トラックバック送らせていただきますね。
  1. 2008/10/10(金) 22:28:00 |
  2. URL |
  3. たこΩ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

おぉぉ、読まはったんですね!
ほんまにけったいなこと思いつかはる作家さんですわぁ。

日暮れが早くなって、仕事帰りにはすっかり闇に包まれた平城宮跡をチャリンコでつっきって帰るんですが、近鉄電車の車窓の灯りが夜に浮かんで、ライトアップされた朱雀門の脇にさしかかると、リチャードとの対決の場面が目の前で起こりそうな錯覚をおこします。

羨ましいでしょ(笑)

この作品、とても奈良らしさが出てると、僕も思います。
ホルモーは京都らしいし。
同じ古都でも雰囲気違いますもんねー。
青い空、薫風、田舎…まさにそうなんです!!このあか抜けなさがええねんなぁ。
でも、確かに「匂い」は京都と繋がってますよ。ともに心が落ち着くんですね。

にしても、面白かったなぁ。
  1. 2008/10/10(金) 22:43:00 |
  2. URL |
  3. bananan_bou #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

剣道の場面。結末が推測できようとも盛り上がりましたね。
ひかりの剣もそうですが、キャラが立っていて面白いのですよね。

”ぼっちゃん”読み返したくなるのと、レンタルで
DVD見たいのですけどね。
  1. 2008/10/11(土) 13:27:00 |
  2. URL |
  3. bullet4071 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

To たこさん、
待ちましたよぉ~、もー、よくネバったものです。
今、まだ海堂さんの新作(っていうか、最新作のひとつ前・・・)をじっと待っております。

ことばは魂だから・・・言霊というものでしょうか。
まあ私としては、文字(というか、文、かな)として表わすことにも、魂はあるんじゃないかと思ったりするのですが・・・。
ただ、ことばに表わせない深い何かがあるっていうのは、確かに奈良という場所ではことさら強く感じられる気もします。

「沈まぬ太陽」、ぬふふっ^^大作~~。
私もまた山崎作品、何か読みたいです。

トラバありがとうございます。私も送らせて頂きますね♪
  1. 2008/10/11(土) 21:01:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

To ばななさん、
>羨ましいでしょ

くぉのぉぉぉ~!言うかっ!大人気ない!
(↑と、コーフンする自分の方がよっぽど大人気ない、という気もする・・・。)
私の妬みのノロイを送ります。鏡を見て下さい。きっとシカ耳が生えておるから。

心が落着くっていうことについて言えば、やはり日本のふるさと的存在の奈良の右に出るところはないでしょうね。
平城宮跡をチャリンコで・・・ぐっぐぐぐぐぐ・・・羨ましい(ついでに鼻もシカになれぃ!)。

それにしても、こういう荒唐無稽なストーリーを、「なにコレ、ばかばかしい!」と思わせることなくぐいぐい読ませてしまうっていうのは、やっぱり凄いものですねぇ。
  1. 2008/10/11(土) 21:09:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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No title

To bulletさん、
剣道のシーンね、私はもしかしたら、頑張ってもう少しでってとこまでいくけれど、最後は相手校の国体代表っていう選手に負けるっていう展開もありかもな、と思いながら読んでました。すごいですね、イトちゃん。

「ひかりの剣」どころか、「ジーン・ワルツ」さえも・・・さっき見たら予約順位3番でした。
でも、「美女と竹林」は連絡が来たので、明日か明後日取りに行ってきます^^

ぼっちゃん・・・お風呂で泳ぐのが印象的・・・って、ロクなところ覚えてないです。
Amazonに注文した谷崎の文庫本、早く来ないかな~(一緒に頼んだカメラの雑誌が時間かかってるため、文庫本までなかなか来ないんです)。
  1. 2008/10/11(土) 21:14:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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