本と旅とそれから フラッタ・リンツ・ライフ/森博嗣

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フラッタ・リンツ・ライフ/森博嗣


シリーズ第3作。
いつの空やら、どこの空やら――登場人物の姓名がすべて日本名だから、日本かな?――わからぬ空に恋焦がれ、飛び続ける「戦闘機乗り」という人種の物語です。

フラッタ・リンツ・ライフ/森博嗣(中央公論社)

んー、悲しい。
何ともいえず、もの悲しい。

老いることも死ぬこともなく、感情の起伏もどうやら極めて少ない、キルドレ(悲しいけど、でも、サラドレみたいです)と呼ばれる特殊な人間たち。


戦闘機パイロットという職業を選んだ彼らは、まるで動物的本能がそうさせるかのように、地面を離れ、空を目指す。なのに、彼らをとりまく現実が、彼らから空を奪う――。
空へと飛ぶ道を閉ざされた彼らの姿は、まるで翼を切り詰められた鳥を思わせます。

空を飛んでさえいられれば、どんなものをも恐れない、というか、どんなものをも超越していられるのに、それを奪われた時、おそらく彼らは初めて「嘆く」とか「絶望する」とはどういうことかを知るのでしょう。

それにしても、ならばキルドレたちは、二手に分かれてゲームのように空中戦をやってさえいられれば幸せなのでしょうか・・・。戦闘機を駆っての殺し合いを、恐ろしいとか怖いとか思う感覚は、どうやら彼らにはないようです。相手を墜とそうとすることは、むしろ相手への敬意だ、とクリタ(本書の語り手)は言います。空中戦に敗れて墜ちた仲間を、羨ましいとさえ。

――あ~、こういう感想はナンセンスかな?
完全フィクションである存在について真面目にその心情を推し量ろうとするのは、子どもじみているかも。でも、そういうことするのが、フィクションを読む楽しみなのかも知れず?

さて。



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tag: 森博嗣 
  1. 2009/05/13(水) 20:20:00|
  2. 2009
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No title

空想の世界といえばそれまでですが、僕の好きな本に第二次世界大戦のエース、坂井三郎という人が書いた「大空のサムライ」という本があります。ラバウル航空隊に所属した生粋のゼロファイターの自叙伝で、その中で彼も事あるごとに自分を打ち落とそうとしていた米軍パイロットの腕を賞賛しているくだりがいくつもありましたね。平和で唯物主義的な我々の時代ではもう想像の世界ですが、ひょっとしたら生きるために覚悟が必要だった時代の人達には、そういう突き抜けた精神世界みたいなものがあったのかも知れません。
  1. 2009/05/14(木) 00:55:00 |
  2. URL |
  3. ぐん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

To ぐんさん、

>突き抜けた精神世界みたいなもの

あ、それはそうかもしれませんね!
全然ジャンルは違うけど、「宮本武蔵」なんか読んでてそういう感覚持ったことありましたし。ものすごく強い侍として敬意を抱く相手と勝負、つまり殺し合うわけで。
ぐんさんの読まれた作品はノンフィクションなわけですから、説得力ありますね。

ただ、この森さんのシリーズだと、「ふつうにしてりゃ不老不死」という人種がその戦闘機乗りをやるわけで、「ふつうにしててもいずれは死ぬ」っていう一般人類とかなり感覚のズレがある・・・というか、あるという設定になってるんだろうなぁ~などと思ったのですね。

が、考えてみれば、小説というのはすべからく空想の産物。
空想なのだからあまり感情移入したってしょうがない、などと言っているようでは、小説なんて楽しめませんよね。やっぱ、同じアホなら踊らにゃ損ですよねー。
  1. 2009/05/14(木) 23:38:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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