本と旅とそれから おそろし/宮部みゆき

本と旅とそれから

おそろし/宮部みゆき

あああ~、ブログ・ネタがないね~(投げやり口調で)。

京都・奈良旅行の記録を憑かれたようにどどど!とUPし終えてふと気付けば、GWはすでに終り、旅の「非日常」は、思いっきり「日常」に回帰しておりました。Booo!
とりあえず旅とは別の意味での現実逃避手段であるところの本読みネタでつなごかな・・・。


おそろし/宮部みゆき(角川書店)

近刊の宮部本については常にそうですが、読みたいと思ってから読めるまでが笑えるほど長い~。
この本だって、いつ図書館に予約入れたんだか。

そんな具合なので、宮部さんの本を読むということ自体、すごく頻度が低くなってしまっているのですねえ。

このブログのBOOKS INDEXを見てみましたが、前回読んだのは、1年8ヶ月前の「名もなき毒」でした。それで、その時自分が書いた感想文を読み返してみて、宮部作品についての基本的な感想は今回も同じだなと思ったのです。


つくづく、この作家さんのプロットの見事さ、人物描写の巧みさに感嘆します。
そして、かなり複雑かつ長いストーリーを、飽きさせることなく読ませてしまう文章の見事さ。これといって「巧い!」と唸らせるような文だとは別に思わないんだけど、さらりとしてクセがなくて、読むというより何だか上手な語り手に耳を傾けているような、ふんふんといつまでも聴いちゃうよ、という心地よさ。

・・・などと当時のlazyMikiは書いておりますが、今回も同じこと思いましたよ。
カタカナで言えば「ストーリーテラー」、やまと言葉で言えば「語り部」。
宮部みゆきという作家さんはそれだと思う。

本書のタイトルは「おそろし」ですが、別に怪談本じゃありませんでした。
・・・その点はちょっとだけがっかりしたかも。
そこはかとなく怖い部分はちらほらあるんですが・・・。

宮部作品全体に共通する要素っていうのは、じっくり数えればいくつもあると思いますが、今回特に気にとまったのは、「現実の厳しさ」と、おそらくは宮部さんの性善説的考え方からきているのだろうと思われる「人の暖かさ」。
そして、非常に懐の深い、度量のある大人の存在です。

人間いろいろ個性もあればクセもある。大人といえども、困ったところや弱いところも持ち合わせている。だけど全体的なことをいえば、大人は大人なりの経験があり思慮深さがあって、子どもや若者の未熟な面を受け止め、守ってくれる――そんな大人が何人も登場します。

で、特に本書最終章「家鳴り」では、そうした作者の性善説を信じる力みたいなものが、人の「魂」、「善」の力(「スターウォーズ」みたいですけど)といった形で強く打ち出されていてぐっときます。

この作品、後が続きそうです。


webcitron01.gif


My Favorite Books(お気に入りの本のブクログ)
BOOKS INDEX(作家別感想文一覧)

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tag: 宮部みゆき 
  1. 2009/05/13(水) 20:25:00|
  2. 2009
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今回の本ネタは、私は二冊すでに読んでました。
森見さんも宮部さんもどちらも面白かったですね。
宮部さんは、暗くって胸が苦しくなるようなテーマも多いんだけど、
引き込まれるので、いつも楽しみです。

今私は、極北クレーマーを読み終えて、聖女の救済を
読んでいるところです。極北面白かったですよ。
  1. 2009/05/13(水) 22:49:00 |
  2. URL |
  3. bullet4071 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

なるほど、宮部みゆきが性善説を前提にした人っていうのは頷けますね。彼女の物語を読んだ後は「理由」を例外として、読んだ後に比較的落ち着くべきところに落ち着くという安心感みたいなものがあります。模倣犯や火車では問題提起的な終わり方をしているわりには、読み手が考えさせられるほど立ち位置は不安定になっていないです。多少コンパクトにまとめすぎているって、捻くれものの僕なんかは思うこともあるんですけどねw
  1. 2009/05/14(木) 00:41:00 |
  2. URL |
  3. ぐん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

同じく、宮部みゆきさんの本を読む頻度が減ってしまいました。
あらかた読んだってのが、一番の理由ですが。
人気がある作家さんの本。なかなか手にとるまで時間が掛かります。
文庫本で最初から出てくれたらいいのに。
ここ数年読んでないので(あやしが最後かな?)そろそろ読んでない本も溜まってきたし
読もうかなと思いました。
ちなみに、一番最初に読んだのは「火車」です^^
  1. 2009/05/14(木) 23:09:00 |
  2. URL |
  3. hiroko #79D/WHSg
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No title

To bulletさん、
あ、もしかして、私がこの「おそろし」を読もっかな~と思ったのは、bulletさんの記事を拝見したからだったかも!
そうですね、宮部さんって結構、社会的に暗い話をモチーフに使われますけど、何だかんだ言って、読み出すと引き込まれてしまいますよね。

海堂さんの本は、まだ図書館に入ると同時ぐらいに予約を入れたのですが、その時点ですでに10人待ちでした。
相変わらずbulletさんとこの図書館、優れてますよねー。いいのぅ・・・。
ちなみに、「利休にたずねよ」も、たぶんまだ予約待ち20人ぐらいです(T_T)。
  1. 2009/05/14(木) 23:22:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

To ぐんさん、

>多少コンパクトにまとめすぎている

ん、なんかわかります、その感覚。
というか、見事に計算し尽くされてちゃってて、そこがサぁ、って感じかなぁ・・・。
何かもやもやとした感覚が残る場合も、そのこと自体織り込み済みなのかも、みたいな。

私が何となく宮部作品を分けてる基準は、「娯楽性重視」か「社会性が強い」か、です。
で、「火車」とか「理由」とかは、ちょっと社会性が強い部類かなぁと思いますが、一般の評判が高い割には、実は私はこのテはあまり好きじゃないんですよね・・・。
「摸倣犯」なんかは、一見かなり社会的な話にも見えるけど、基本的にはあれはサスペンス小説で、すごく娯楽性が高いのだと思います。
この「摸倣犯」や、「ぼんくら」「日暮らし」のシリーズはすごく好きで~す^^
  1. 2009/05/14(木) 23:31:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

To hirokoさん、
本当は「大極宮」とかをマメにチェックして、刊行前に図書館にリクエスト入れたりすれば、すぐに借りられると思うんですけどねー(「孤宿の人」とかはそれが成功して、一番最初に借りられたの)。
なんか、最近、結構好きな作家さんが増えて、全然手が回ってまへん^^;

私が最初に読んだ宮部作品は「蒲生邸事件」です。
あれも確か何か賞を取ったと思いますが、実は私はこれがかなり嫌いでした^^;
なんか、物語の語り手である主人公に感情移入できなかったんですよねぇ。
それでその後しばらく、宮部みゆき作品を手に取ることがなかったのです。
今は、できるだけ読みたいんですけど、うちの図書館、予約枠がたったの5冊なので、人気の本をいっぱい予約すると、ずーーーっと満杯が続くことになっちゃうんですよねー。
  1. 2009/05/14(木) 23:52:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
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