本と旅とそれから クレィドゥ・ザ・スカイ/森博嗣

本と旅とそれから

クレィドゥ・ザ・スカイ/森博嗣


まあ何というか、このシリーズは・・・秋の高い空など眺めている時に心に浮かぶ、爽快感と透明感とそこはかとない悲哀の気分を漂わせている感じで。
今回の1冊もまた然り。

クレィドゥ・ザ・スカイ/森博嗣(中央公論新社)

シリーズ中、語り手のアイデンティティが不明なものが1冊あると聞いていましたが、これだったか。
最初はクリタかと思ったりいやそれにしちゃちょっと違うと思ったり、次にはカンナミなのかなと思ったり、最後にはやっぱこれはクサナギ・スイトなのかと思ったり。


森さんの小説によくある(と思われる)、男女の性別をぼかした描写がクセモノですな。
キャラクター的にも非常にユニセックスなんですが、一人称が「ボク」だったからといって、男性かと思っているとそんなこともありません。

ラストはまるでクサナギなんだけど、ラスト以外はクサナギではあり得ない気もする・・・。
いいや、別に、誰でも。

あのエンディングは、ハッピーエンドと言えるのかしら。大空へお帰りなさい、ということになるんでしょうか。
それまで、ほんとにしみじみ悲しかったですもん。
まるで翼を切られた鳥を見るようで。

いや、飛びたくても飛べない鳥の姿が悲しいという以上に、その鳥(というか、キルドレだけど)の目に浮かんでいるであろう静かな諦念みたいなものが悲しい。
ああ、もう飛べないんだな、と思いつつ、激するでもなく、絶望するでもなく、呆けるわけでもなく、ただ淡々と生きる。ふつうの人間ならそうやっていればいつかは死ぬんだけど、キルドレの場合はそれやってると、永遠にそのままなのですが――。

う~ん、いや、でも、悲しいと言いつつ、どこか妙に心地良いような、何だかよくわからない感覚もある、ような・・・?そのあたり、散文であるにもかかわらず、かなり詩的な、感覚的に訴えるところの大きい物語だと思います。

好きに感じて受けとってくれりゃいいです、と、言われている気がする。
わからんといえばわからんのですが、あんまりわからん気もしないし。
って、自分の書いてるこの駄文こそわけわからんって感じ?
やれやれ。




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  1. 2009/06/11(木) 22:42:00|
  2. 2009
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